【盛唐法律事務所の法律コラム】コロナにより従業員が出勤できない期間の賃金待遇について

今月より、深センの日本人向け法律事務所「盛唐法律事務所」による法律コラムがスタートします。

昨今はコロナに関連する問い合わせが多いそうですが、その中でも深セン・広東省在住の皆様に役立つ法律の知識をシェアしてくださいます。

Shenzhen-fanの読者の皆様こんにちは、深セン在住の日本人法律家、大嶽です。

今回は、今月に入り一番問い合わせの多いホットな労働問題について解説をお届けします。

従業員がコロナ対策政策のせいで、春節帰省地で隔離されてしまった場合など、「コロナのせいで、出勤できなくなった場合、その従業員の賃金の支払いはどうすればよいのか?!」という問題です。

一、 従業員が出勤できない期間の賃金待遇について

広東省の関連規定によりますと、従業員が隔離措置を講じられた、又は政府が法により緊急措置を講じたことにより、正常に労働を提供できない場合においては、企業は該当従業員が正常に労働を提供したものとみなさなければなりません。

《広東省賃金支給条例》の業務停止、生産停止期間中の賃金支給に関する規定によりますと、従業員がコロナ政策のせいで、労働を提供できなくなった場合、最初の1ヶ月は、正常に出勤したものとみなして賃金を支給しなければならないとされています。

なお、政府労働当局は、従業員の同意を得ることを前提に、次の対応をとることができるという臨時政策を公表しています。

  1. 有給休暇を消化させる。
  2. 振替出勤を手配する。
  3. 賃金基準の調整やリモート業務への変更などについて協議する。

法的リスクを避けるため、以上の方法を用いるにあたっては従業員と次の段階を踏み、従業員の合意を取り付けるように助言します。

  1. 企業と工会(労働組合のこと、ある場合)とで協議をして書面を取り交わす。
  2. 従業員本人と協議をして書面を取り交わす。

前述の方法に従業員が同意しない場合、企業は正常に出勤したものとみなして、賃金を支払わなければなりません(1か月を超える場合は、最低賃金の80%相当額の生活費を支払えばよいです)。

従業員の同意を得ることなく、一方的に有給休暇を消化させた、又は減給、賃金支払停止等の処理を行った場合、従業員から賃金控除を理由に労働契約解除、経済補償金の支払を求められる、又は労働部門から是正命令を下される、罰金を科される等のリスクがございます。

参考規定:

《新型コロナウイルス感染症の疫病予防期間中における安定した労働関係維持のための業務再開、生産再開に関する意見》(人社部発〔2020〕8号)

(四)出勤停止期間中の賃金待遇に関する協議を奨励する。
疫病の影響を受けて業務再開又は職場復帰が遅れた期間中、各種休暇を充当しても正常な労働を提供できない、又はその他正常な労働を提供できない従業員については、企業は国家の業務停止、生産停止期間中の賃金支給に関する規定に従い従業員と協議を行い、1回の賃金周期内の場合、労働契約で定められた基準で賃金を支給する。1回の賃金周期を超える場合、関連規定に従い生活費を支給する。

《疫病に関連する労働関係問題の適切な処理についての意見》(人社部発〔2020〕17号)

「法による隔離でないが、政府により出勤・業務停止、疫病地区の封鎖等の緊急措置が講じられたことにより、企業の業務再開が遅れた、又は労働者が職場復帰できない場合、それぞれの状況に応じて処理する。

……企業が業務再開していないか、又は企業が業務再開したが労働者が職場復帰できず、かつ、その他の方法によっても正常な労働を提供できない場合、企業は国家の業務停止、生産停止期間中の賃金支給に関する規定に従い労働者と協議を行い、1回の賃金周期内の場合、労働契約で定められた基準で賃金を支給する。1回の賃金周期を超える場合、企業は生活費を支給する。生活費の基準は、地方の関連規定に従う。」

二、リモート勤務期間中の賃金待遇について

政府が法により出勤停止、業務停止、疫病地区の封鎖等の緊急措置を講じたことにより、使用者の業務再開が遅れたとしても、労働者にリモート勤務を手配した場合、通常は労働者に正常な労働賃金を支給しなければなりません。

参考法令:

《広東省高級人民法院、広東省人的資源及び社会保障庁による新型コロナウイルス感染症に関連する労働人事紛争事件に関する若干問題への回答》第6条

「使用者が労働者に職場での勤務ではなく、電話、インターネット等により正常に労働させた場合、正常な労働として賃金を支給しなければならない。」

盛唐法律事務所

盛唐法律事務所」は、深圳市を拠点としている日本人向け法律事務所です。中国全土の法律相談を承っています。

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