【盛唐法律事務所】広東省人口及び計画出産条例の細則の重大改正ポイントについて

2023-01-31 2023-01-31 7分48秒

中国の法律情報に詳しい、日系企業向け法律事務所「盛唐法律事務所」からのお知らせです。

今回は、「広東省人口及び計画出産条例」の関連細則とその解説に関する話題です。

1月17日、育児休暇や介護休暇の実施について大きな改正があり、日系企業にも大きく影響します。

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広東省人口及び計画出産条例の細則の重大改正ポイントについて（育児休暇・介護休暇）

Shenzhen Fanの読者の皆様こんにちは、日本人法律家、大嶽（オオダケ）です。

2023年1月17日、広東省人力資源社会保障庁は、「広東省人口及び計画出産条例」の関連細則とその解説を発表しました。そこでは、育児休暇、介護休暇の実施について大きな改正がありました。日系企業にも大きく影響する点です。簡潔にまとめましたので、参照ください。

本政策の実施について、不明点があれば、以下のフォーマットからお気軽にお問い合わせください。

１、育児休暇

３歳未満の子供を有する親は10日の育児休暇を享受する。

（１）育児休暇は重ねて取得できない。

3歳以内の子供が同時に2人以上いても、両親ともに毎年10日の育児休暇を享受する。最年少の子供が3歳になるまで享受する。

（２）育児休暇は子供の誕生日の周年で計算する。

同一年度内において最大でも2回分割して取得できる。

（３）育児休暇は原則として当該計算年度以内に使用する。

使用者の原因により従業員が当該計算年度内に休暇を取得できず、次年度に取得する必要がある場合、従業員と協議合意の上、手配しなければならない。

２、一人っ子介護休暇

一人っ子の両親が広東省戸籍で満60歳になった場合、子供は介護休暇5日を享受できる。病気で入院している場合、毎年累計15日以下の介護休暇を受けることができる。

（１）介護休暇は重ねて取得できない。

両親双方とも満60歳となっても、享受できる介護休暇は5日であり、病気で入院している場合の休暇も累計で15日を超えない。

（２）介護休暇は自然年で計算する。

同一計算年度内において分割して取得もできるが、分割回数は原則として2回を超えない。

（３）両親が双方とも他の省の戸籍の者であっても、使用者に介護休暇を与えることを奨励する。

（４）原則として当該計算年度内に使用するものとする。

使用者の原因により、従業員が当該年度内に介護休暇を取得できず、休暇を来年に取得する必要がある場合、従業員と協議合意の上、手配しなければならない。

３、育児休暇、介護休暇の賃金待遇

（１）使用者は、社内規則において育児休暇、介護休暇の賃金待遇を明確にすることができる。もしくは、従業員全体との協議により育児休暇、介護休暇の賃金を決定することができる。

（２）使用者が奨励休暇、出産付添休暇の賃金待遇に応じて育児休暇、介護休暇賃金を支払うことを奨励する。ただし、最低賃金基準を下回ってはならない。

４、育児休暇、介護休暇の未取得分の取得

2021年12月1日から2023年1月17日までの期間に前述の育児休暇・介護休暇の取得要件を満たしていた場合において、使用者が業務上の必要性から2021年、2022年に育児休暇・介護休暇を手配していなかった場合、今後、従業員が休暇の申請をした場合、使用者はこの期間の休暇を手配しなければならない。

５、弁護士の助言

（１）広東省人力資源社会保障庁が発表した細則では、育児休暇、介護休暇が、営業日で計算するのか、自然日で計算するのか（土日も含めてよい）が明らかにされていない。今後、広東省人力資源社会保障庁が明らかにすると考えられる。

（２）今回の細則では、育児休暇と介護休暇の賃金待遇は使用者が負担すること、最低賃金基準を下回ってはならないことが明らかにされた。使用者は、育児休暇、介護休暇の賃金基準を明確にし、社内規則を制定すべきである。

（３）条件に該当する従業員が過去の育児休暇または介護休暇の取得を申請した場合、会社は従業員の休暇を手配しなければならない。使用者がこれを拒否した場合、労働者は人力資源部門に告発をすることができる。告発がなされた場合、人力資源部門は期限を定めて是正命令を下すこととなる。

（４）本細則は広東省内企業に適用される。

参考サイト：

http://hrss.gd.gov.cn/zwgk/xxgkml/bmwj/gfxwj/content/post_4082488.html

講師紹介

大嶽徳洋オオダケ　トクヒロ

東莞市在住、深セン市の法律事務所勤務

中国法務コンサルタント歴14年

行政書士・東京商工会議所認定ビジネス法務エグゼクティブ

旧HSK11級合格・TOEICベストスコア840点

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この記事を書いた人

Daichi Araki

Shenzhen Fan管理人。現在は日本に滞在していますが定期的に深センをはじめ中国に関する生活・ビジネス情報等をお伝えしています。広告のご依頼や皆様の情報提供もお待ちしております。お気軽に問い合わせフォームよりご連絡ください。