4月2日は世界自閉症啓発デーとして東京タワーが青くライトアップされますが、中国・深センにある最近注目の「羲融善道」(HEROAD Group)という財団もこの日に合わせて各地で活動中です。
中国には精神障害者の家族が8500万人以上と推定されていますが、社会に対して良いインパクトを与える財団の活動はまだ始まったばかり。
彼らは弱者を支援するプロジェクト・会社をインキュベートし、コミュニティーやアプリなど情報プラットフォームを立ち上げ、テクノロジーの面からのサポートも行っています。
目次
中国における精神障害者の現状
深圳市羲融善道有限公司/HEROAD Group Co.,Ltd.(以下、羲融善道)は、社会価値のある企業・団体に投資を行い、インキュベート(支援、育成)を行う財団。一般的にこのような活動は「ソーシャルグッド」(Social Good)と呼ばれますが、当団体は一歩踏み込んで良い影響を与えながら利益ももたらす “The Economy for the Common Good” 活動を行っています。
JuJube(後述します)の紹介資料によると、中国の各種障害者の総数は8296万人、その中で知的発達障害、自閉スペクトラム障害、ダウン症候群、脳性麻痺といった精神障害を抱える方は2520万人以上と推定されています。精神障害者の家族は8500万人を超えるとも言われています。
自閉症患者は1400万人以上
精神障害のうち自閉症患者は最も多く、状況も一番複雑です。彼らの平均寿命は54歳、自殺率は一般人の9倍、罹病率も87%高くなり、成年後に80%以上の患者は自分で生活できません。
中国の自閉症患者は少なくとも1400万人を超え、児童68人ごとに1人の割合と報道されています。
彼らを見ることはめったにない
しかし中国において、彼らを見ることはめったにありません。主に家に引きこもり、親から面倒を見られています。
また障害者の中でも立場の弱いグループでありほとんど声を出していないため、彼らの需要を理解できる人も少ないようです。
そのため、大きなストレスを抱え自殺に至ることもあります。
精神障害者向けの総合情報プラットフォーム「JUJUBE」
今の中国には医療プラットフォームなどがたくさん存在していますが、精神障害者向けの総合情報プラットフォームはいまだにありません。
そのために立ち上がったプラットフォームが、「JUJUBE」
羲融善道がインキュベートする「枣孖科技/JUJUBE」という会社は2020年創業。すべての精神障害者が幸せな人生を送れることをビジョンとしています。
精神障害者の家族を支援するだけでなく、当人たちの老後の心配にも対処する必要があります。そのため生涯にわたるサポートを行えるようにコミュニティーやサークル、心理カウンセリングなどを行うのだそう。
サポートメンバーの中にはKOL(インフルエンサー)もおり、コミュニティーの運営支援も行います。
4月2日「世界自閉症啓発デー」での取り組み
4月2日は「世界自閉症啓発デー」です。
「羲融善道」(HEROAD Group)のチャリティーファンド HeroadFoundation が企画したイベント;[点点蓝]を紹介します。
【点点蓝】「Something blue」参加方法
当日に【点点蓝】「Something blue」と呼ばれる、青い服や小物を身に着けて写真をSNSで共有する取り組みが実施されます。
青い服やアクセサリーを身に着けた写真を各種SNSにアップして、以下のハッシュタグやメンションを付けます。
(WeChatの場合、事前に公式アカウント「Heroadfoundation」をフォローしてください)
Wechat(微信)、Weibo(微博):
#点点蓝我愿意理解和包容自闭症
@Heroadfoundation
@深圳市羲辰公益基金会Instagram、facebook、Twitter:
#Somethingblue
Shenzhen Fanも4月2日限定で、サイトの背景が青になります(ベースカラーはもともと青ですが…)
このような公共福祉への投資、サポートを行うインキュベーターが深センに現れたのは良いことですね。中国の社会の抱える問題に取り組み続ける「羲融善道」。日本語の話せるスタッフも在籍しているため、今後は日本との連携も期待できそうです。