深セン市は十大AI集積エリアを発表

8月13日に、深センのソフトウェアおよび人工知能に関する協力会議が北京で開催され、深セン市内の十大AI集積エリアが発表されました。

ハードウェアに注目されがちな深センですが、市は同時にソフトウェア産業のエコシステム構築にも力を入れており、国際的なソフトウェア都市の建設を加速しています。

深圳市はソフトウェア産業のエコシステム構築に力を入れる

2023年に、中国のソフトウェア産業のビジネス収入は12兆元の大台を突破し、今回発表された深圳市の十大AI集積エリアにおける年間ソフトウェア事業収入は700億元を超えています。

深圳市産業情報化局の林毅副局長は、「現在、深圳市は総合的なソフトウェア・人工知能産業のエコシステムを構築するため、政策指導、財政支援、高品質な環境などを通じて、産業の継続的な発展に全力で取り組んでいる」と述べ、市がソフトウェアとAI関連産業の発展を促進するために多くの措置を講じていることを明らかにしました。

北京で行われた会議(中国深圳软件和人工智能新质生产力高质量发展大会暨京深产业合作洽谈会)の様子

十大AI集積エリア

今回の会議で発表された「十大AI集積エリア」は、深圳市がソフトウェア産業を最適化し、産業集積を促進するために計画した重点産業レイアウトです。

これらのエリアは、主に地理的なエリアや、ソフトウェア工業団地、ネットワークインフラ、科学研究機関、公共サービスプラットフォーム、大学などに基づいて統合されたAI産業クラスターとなります。

1、深圳湾人工智能集聚区

深圳湾北部に位置する深圳湾人工智能集聚区の周辺には、テンセント本社や软件产业基地(ソフトウェアパーク)があり、深圳湾科技生态园广东省具身智能机器人创新中心(広東省AIロボットイノベーションセンター)などによって産・学・研の連携を促進し、市場競争力のあるAI集積エリアを構築しています。

2、西丽-石岩人工智能集聚区

当エリアには南山科技创新中心、万科云城、DJI本社などがひしめき合っており、近年はメイカーフェアも行われています。西丽湖国际科教城(西麗湖国際科学教育都市)をベースに、南山智园や鹏城实验室などにより科学研究、インキュベーション、産業化の集合体を構築しています。

3、前海湾人工智能集聚区

前湾、桂湾、妈湾、宝中、大铲湾をベースに、海深港人工智能产业片区や海深港智算中心により香港・マカオや海外に面する国際AI集積エリアとして発展させています。当エリアには現在テンセントのNET CITYが建設中です。

4、福田人工智能集聚区

河套、梅林などのエリアをベースに、深圳新一代产业园等によりハイエンド人材を全面的に誘致・教育する新しいパターンを構築します。「深圳新一代产业园」というのは2020年に完成した6棟のオフィスビルで成る工業団地で、国家开放原子开源基金会、国家金融科技测评中心、富森供应链、荣耀、天使荟、物美集团、锐石创芯といった国家にとって重要な企業が入居しており、フォーチュン500に含まれる企業も3社含まれているのだそう。

5、龙岗坂田人工智能集聚区

坂田エリアをベースに、星河WORLD(星河控股集団が約150億元を投じて建設した産業融合型提携新都市)に入居している深センのトップ10基礎研究機関の1つ「深圳市人工智能与机器人研究院」(Shenzhen Institute of Artificial Intelligence and Robotics for Society)や、その他のオンラインコンピューティングパワーに支えられ、国際的な影響力を持つフルスタックの地域化された大型モデルイノベーションクラスターを構築しています。

6、龙岗大运人工智能集聚区

竜崗大运エリアをベースに、大运软件小镇(ソフトウェアタウン)等を有し、深圳ビッグデータ研究院など研究機関の支援を受け、研究開発、生産、生活を一体化した全産業チェーンを持つ国家レベルのAI集積エリアを構築しています。近年、竜崗区は「ハイエンドのリーダーシップとイノベーションの推進」という戦略を積極的に実施しており、大学や専門学校を精力的に導入してハイテク産業発展の最前線に立っているとのこと。「大运软件小镇」は市政府と区政府が共同で建設したソフトウェアパークとして、2013年に正式に運営開始しました。立地も良く、東莞市、恵州市まで30分以内で行くことができ、「深圳、東莞、恵州」の30分ビジネスサークルを形成しています。

7、龙华中轴人工智能集聚区

深圳北駅エリアをベースに、宝能科技园や龙华工业智算中心等の支援を受けて多くの代表的な産業化プロジェクトを立ち上げています。「宝能科技园」はクリエータースペース、インキュベーター、アクセラレーターなど企業のためのフルサイクルキャリアを建設しており、華為などの大企業に囲まれています。「龙华新型工业智算中心」は竜華区初の1,000P規模の新型産業インテリジェントコンピューティングセンターのことで、さらには深圳最大級のスマートコンピューティングセンターなのだそう。省エネ・二酸化炭素削減技術を採用し、中国華南地区の新たな産業算法スケジューリング・センターになることを目指しています。

8、罗湖清水河人工智能集聚区

清水河总部新城、数字经济总部经济集聚片区をベースに、罗湖投控软件产业园等と共に、人工知能産業の「总部基地+研发孵化(研究開発インキュベーション)+产业集群本部基地(産業クラスター)」を創造しています。2018年、深圳市政府は清水河エリアに「人工智能产业基地」建設ライセンスを与え、このエリアを「数字经济总部经济集聚区」として開発しました。

9、坪山高新区人工智能集聚区

坪山中心エリアをベースに、坪山创新广场や湾区智能网联测试场等と協力して、人工知能のハイエンド製造を形成しているようです。「坪山创新广场」は、敷地面積2万5500平方メートル、3棟の高級工業ビルから成っており、生物学、EV、新世代情報技術、インテリジェント製造業、5G産業、現代サービス業に重点を置き、企業本部と産業公共サービスプラットフォームの導入に力を入れています。現在は200以上の企業がすでに入居しており、合計3000人以上の人材が敷地内で働いているのだそう。

10、光明科学城人工智能集聚区

光明科学院や明湖智谷片区をベースに、人工智能与数字经济广东省实验室(深圳)などがサポートを行い、国产人工智能生态创新中心と人工智能赋能新型工业化示范区を建設しています。人工智能与数字经济广东省实验室(深圳)は深圳大学が人工知能・ロボット工学の世界トップチームと共同で設立したもので、深圳市政府が建設、運営、管理を主導しています。同研究室は基礎研究、応用基礎研究、応用開発研究、応用と成果のインキュベーションの全チェーンを実施し、AIとデジタル経済に関連する基礎理論の突破に力を入れているとのこと。

2026年に深圳はソフトウェアパークの数を20以上に

今年初めに、中华人民共和国工业和信息化部は正式に2023年の中国ソフトウェア都市の評価結果を発表し、深圳市は全国で初めて「三ツ星」の中国ソフトウェア都市の称号を獲得しました。上記の十大AI集積エリアには現在400社以上のソフトウェア企業が入居しており、高水準の工業団地建設によって様々な企業が成長し、AIブームでより多くのチャンスを得ています。

深圳市工业和信息化局によると、次の段階としては深圳ソフトウェアパークの指導と調整を強化し、優良企業、重点プロジェクト、主要プロジェクトなどを深圳ソフトウェアパーククラスターに誘導する予定です。今後もより多くのソフトウェアパークの育成を促進し、2026年にソフトウェアパークの数が20以上に達するように努力するとの見込みを語っています。


Source:

深圳卫视深视新闻:深圳发布十大人工智能集聚区

广东省工商联:深圳发布十大人工智能集聚区 加速从中国软件名城迈向国际软件名城

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事