1月20日に、中国国務院の合同予防制御機構は春節の帰省に関する指針の中で、地方への帰省前には7日以内に取得したPCR検査陰性証明が必要であると発表しました。広東省も対象者の帰宅後14日間の在宅隔離といった指針を発表していますが、詳細が不明な点もあり混乱が見られています。
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国務院の指針:帰省前7日以内のPCR検査を
国務院の指針では、1月28日から3月8日までの期間中に地方へ帰省する人は、移動前7日以内に受けたPCR検査の陰性証明が必要となります。
感染症の予防・制御能力が弱い農村部では散発的な症例や集団伝染が増加しているため、特に都市部からの帰省者が大幅に増加する春節の時期は新型コロナの再流行リスクが懸念されています。
広東省の指針:対象者の省内帰宅後は14日間在宅隔離へ
広東省のアナウンスによると、輸入コールドチェーン食品従事者、閉鎖管理従事者、越境輸送関係者などは地方からの帰宅後14日間は在宅隔離を実施し、7日ごとにPCR検査を実施する必要があります。14日の期間中は行動が制限され、必要な場合以外は外出や集会ができません。
また、中・高リスク地域から広東省に戻る場合は、到着後12時間以内に滞在先のホテル・コミュニティに報告することが義務付けられます。
広東省では最近、ガーナ・コンゴ・バングラデシュ・南スーダン・クウェート・マレーシアからの新型コロナウイルス輸入症例が相次いでいるそうなので、ここで気を緩めることなく抑え込むという意志が感じられます。
とはいえ、当指針も詳細なルールが述べられていないため、はっきりしない点も見られます。
深圳湾口岸からの入境者向け隔離ホテルは深セン市外にも分散
現在、深圳湾口岸から入境される日本人の方はほとんどおられないと思いますが、
深圳湾口岸からの入境者は、一部が東莞、恵州、汕尾、中山で集中隔離されることになりました。
広州白雲空港からの入境者向け隔離ホテルも郊外に分散
広州白雲空港からの入境者は、佛山、清远、江门、肇庆に隔離されることもあるとのことです。
発表にはさまざまな疑問も
上記の点(特に国務院からの発表事項)はあくまで指針であり、ネット上ではさまざまな疑問が出ています。
例えば、「帰省」とはどこまでを指すのか?すでにワクチンを摂取した人も対象なのか?同じ省内でも移動時にPCR検査は必要なのか?彼氏の家で両親と初めて会うのは帰省にあたるのか?車で行き来するだけでもPCR検査は必要なのか?など80以上の質問がネット上で列挙されていました。
2021年の春運旅客者数は延べ17億人の見込み
いずれにしても、春節期間中は誰であれ省をまたいだ移動はできるだけ控えてほしいという雰囲気は伝わってきますね。2021年の春運(春節の大移動)旅客者数は延べ17億人の見込みだそうです。例年は30億人ほどの大移動ですが、その様子と比べるとかなり減少することが分かります。
そして深センは逆に、いつになく人の多い春節になりそうです。上記の不明な点については詳細のガイドラインが発表される、もしくは各地方自治体が判断するといった流れになるのかもしれませんが、本日も上海で3人の陽性者が出たこともあり、状況によってはもっと踏み込んだ施策が追加されることも考えられます。
いずれにせよ、今後のニュースにも注視なさってください。
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