【大阪・関西万博】「深センー大阪イノベーション連携フォーラム」開催レポート(5/12)

大阪・関西万博の「深センウィーク」と連動して、深セン市人民政府主催の「深センー大阪創新合作大会」イノベーション連携フォーラムが大阪市内の帝国ホテルにて開催され、日中の政界および経済界から約150人が参加しました。

フォーラムではテンセントやUBTECHといった深センの代表的な企業と、パナソニック、伊藤忠など日本の代表的な企業が日中における具体的な事業展開について語り、深圳5社と日本5社による協力協定の締結式が行われました。

 

「美好生活 深阪共創」

Image via 深圳贸促

第7回関西地区日中企業経済交流会「深圳ー大阪イノベーション連携フォーラム」は、大阪・関西万博の「深センウィーク」開幕日となる5月12日の午後に帝国ホテル大阪にて行われました。

主催:深圳市人民政府

共催:一般社団法人 西日本中国企業連合会、大阪商工会議所

協力:公益社団法人 関西経済連合会、一般社団法人 関西中華総商会、
一般財団法人 日中経済協会関西本部

後援:中国駐大阪総領事館、一般社団法人 日中経済貿易センター

当イベントのテーマは「美好生活 深阪共創」(より良い生活を深センと大阪で共に創りあげる)というもので、深圳のビジネス・観光PRや深圳オリジナル舞踊劇『咏春』や深圳の非物質文化遺産「香雲紗(絹の伝統染色技法)」を使ったファッションショーが披露されました。

加えて、深圳市副市長 羅晃浩氏、中華人民共和国 駐大阪総領事 薛剣氏、大阪商工会議所 中国ビジネス委員会委員長 岡広史氏、パナソニックホールディングス株式会社取締役小川理子氏のスピーチや、Tencent Japan(腾讯)/Honor(荣耀)/UBTECH(優必選科技)/伊藤忠商事/中外炉工業/マツ六の代表者のプレゼンが行れました。

  • 深圳市副市長 羅晃浩氏:中国と日本は一帯一路で結ばれた隣国であり、深圳と大阪は山海を越えた友好交流都市です。深圳と大阪は2010年に友好交流都市を締結以来、人的交流がより活発化し、経済貿易協力がより緊密になりました。2024年、深圳と日本の貿易額は264.0億米ドルで、16.4%増加しました。現在までに、日本企業は深圳に1,153社進出しており、実際の外資導入額は38億米ドルを超えています。一方、深圳は日本に136社の子会社や機関を設立し、投資総額は4.3億米ドルに達しています。
  • パナソニックホールディングス株式会社取締役 小川理子氏:今年、パナソニックは深圳にプロジェクター事業の中国本社を設立しました。さらに、パナソニック・エナジーは深圳のBTR社と長年にわたり良好な協力を維持してきました。近年、パナソニックは深圳のSmartMore社と協力し、製造業現場における人工知能の応用について積極的に探求しています。

ゲーム、テンセントクラウド、微信支付という3つのコア事業を持つテンセントは、Shenzhen Dailyのインタビューに対して日本における今後の事業拡大について語りました。

  • テンセントクラウド日本法人総経理 劉俊氏:現在の主要事業は東京に拠点を置き、今年中に大阪への事業拡大を計画しています。大阪には新たなデータセンターを建設し、新しいオフィスを設置する予定です。同社は700を超える製品にAIを深く統合しており、DeepSeekの先端技術との連携を通じて、AIの能力を活用し、日本の製造業のデジタル変革を支援します。

  • Honor(荣耀) 日本研究所所長 顾虚谷氏:HONORは、2025年に人間中心のAI技術をスマートフォンに深く融合させる「HONOR ALPHA PLAN」(荣耀アルファ戦略)という戦略的イニシアチブや、AIを中核としたブランド「荣耀AiMAGE」を発表しました。荣耀AiMAGEは端末とクラウドのAIモデル連携技術により画像革新を可能にし、消費者により高品質な画像体験を提供します。日本は製品設計、アルゴリズム、センサー、マイクロモーター、材料などにおいて業界をリードする優位性を有しています。Honor(荣耀) 日本研究所はこれらの先端技術と製品を最新かつ最も競争力のある製品に適用する架け橋となります。
  • 伊藤忠商事 関本正氏:同社の中国事業は当初の繊維から機械、金属、エネルギー、化学、食料品、食品、生活資材、情報通信、金融など多岐に渡ります。中国市場の合併利益は伊藤忠のグローバル市場総利益の14%を占めており、今後も中国市場に注力し、中国の発展の機会を捉え、日中貿易の友好交流を促進していきます。

  • UBTECH(優必選科技)ブランドゼネラルマネージャー 梁伟泽氏:UBTECH Walkerシリーズのロボットは工業製造や商用サービスなどで実用化されています。UBTECH は現在複数の自動車メーカーと協力し、人型ロボットを自動車生産ラインの訓練に活用する取り組みを進めています。UBTECHは今年初めに群脳(BrainNet)ネットワーク技術アーキテクチャを導入し、ヒューマノイド知能ネットワークハブであるInternet of Humanoids(IoH)を設計しました。今後、人型ロボットの生産ラインレベルでのタスク駆動型集団知能を追求し、工業製造を「全柔軟性スマート製造」(fully flexible intelligent manufacturing)への新たな産業化移行を促進します。

深圳5社と日本5社が協力協定を締結

大会では、ロボット、スマート製造、食品テクノロジーなどの分野で深圳と日本の5社が協力協定を締結しました。主な契約内容は以下の通りです。

Image via ShenzhenDaily

深圳市优必选科技股份有限公司(UBTECH)x GA Robotics

人型(ヒューマノイド)ロボットの日本市場向け代理店契約を締結し、人型ロボット製品の日本市場展開をさらに拡大します。

Image via 深圳贸促

深圳市洲明科技股份有限公司(Unilumin)x Neura Marketing

大阪市内のLEDディスプレイサービスプロジェクトで協力合意を締結し、先進技術で大阪の都市景観を照らします。

Image via 深圳贸促

羲融善道(Heroad)x DFA Robotics

投資先企業を支援し、深圳スタートアップ企業の日本市場での発展を後押しします。

Image via 羲融善道 Heroad

广东具身风暴机器人有限公司(Jushen)x Brand Station

約400万元の協力協定を締結し、理療ロボットの日本での代理店業務とプロモーションを支援します。

深圳市智谷天厨科技有限公司(Zhigutian)x DinnerBank

戦略的協力を開始し、智谷天厨のスマート調理ロボットとスマートキッチンシステムを全面的に導入し、日本各地のレストラン運営に活用します。

Image via 深圳贸促

企業展示と技術発表

会場には企業展示エリアが設けられ、スピーチが行われたテンセント栄耀(HONOR)UBTECH優必選)の他にもBYD欣旺達(Sunwoda)など約40社が参加。日本の伊藤忠商事中外炉工業松六(Matsuroku)なども出展し、技術や製品を紹介していました。

今後の展望

深圳市商工会議所の関係者は「私たちは事前調査を通じて、両社のニーズと協力意向を深く理解し、交流プラットフォームを構築し、技術、資本、市場リソースの正確なマッチングを支援しました。 この大阪・関西万博や今回のイノベーション協力大会を契機に、両地域の企業が国際市場開拓を支援し、深圳と大阪のイノベーション分野におけるサプライチェーンの深化協力を加速させ、開放型世界経済の構築に向けて『深圳の力』で貢献したい」と述べました。

今年で友好交流都市締結15周年となる深センと大阪の両都市が「イノベーションを絆とする」といった言葉も用いられており、深圳市が今回の協力を機に、文化・観光面でのみならず、ロボット技術、AI、スマート製造などの先端分野での協力を推し進めることで、多くの成果を結びつけていきたいという期待が色濃く表れていました。


Source:

深圳贸促:“美好生活 深阪共创” 深圳-大阪创新合作大会圆满举行

深圳国资:擦亮“深圳名片”!深圳航空“闪耀”大阪世博会→

深圳商报:广东省日本在深投资企业1153家

中工网:深圳携手大阪举办创新合作大会

羲融善道 Heroad:羲融携被投企业参加大阪万博深圳周活动

ShenzhenDaily:Conference held to foster SZ-Osaka economic exchange 美好生活 深阪共创

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