ついに、深センの福田保税区に通じる地下鉄路線、3号線「南延線」が10月28日に開通します。
この南延線は「福保」一駅のみの拡張となりますが、この福田保税区にはたくさんのオフィスがあります。中心部から2キロほど離れているにもかかわらず地下鉄が通ってなかったため毎日通勤するオフィスワーカーにとっては悩みの種でした。
福保駅 詳細情報
今回の南延線の長さは1.45km、「益田」駅から南に一駅拡張されて「福保」駅が新設されます。
冒頭でも述べましたが、福田保税区と呼ばれるこのエリアにはたくさんのオフィスがあり、毎日たくさんのオフィスワーカーが通ります。
しかし、今までは地下鉄が届いておらず福田中心部から分断されているような状態だったため、現終着駅の「益田」駅や4号線「福田口岸」駅から残りの1-2kmを歩いたり、シェアサイクルやタクシーを使う必要がありました。
私も時々訪れていましたが、このエリアは確かに不便。
地下鉄3号線拡張の話は以前からあり、本当は2019年内に「福保」駅は開通する予定でした。地域住民も(私も)待ち望んでいたのですが何故か工事は遅れに遅れ、今に至ります。まぁ2019−2020年は色々ありましたからね。
福田保税区とは
香港に隣接するエリアである福田保税区(Futian Free Trade Zone)は、その地理上の特性を生かして自由貿易区として1991年に設立されました。
保税区は中国国内にありながら中国国外として扱われる特別経済区域のことで、中国の厳しい規制から開放されて(ある程度)自由に貿易・販売ができるエリアのことです。改革開放政策の一環として経済発展のために設置されました。
福田保税区は、深セン(中国内地)と香港をつなぐ場所、いわば「外の世界に開放するための窓」という位置付けです。
ここには香港に直結する特別なチャネルがあり、外資系企業は特別な運転標識を申請できます。その運転標識のある香港のコンテナトラックは保税地域に自由に出入りできるのだそう。
“中国版WeWork”「UCOMMUNE」シェアオフィスも
福田保税区には貿易業者だけでなくデザイン事務所や中国版WeWorkとも言われるシェアオフィス「UCOMMUNE」(优客工场)などもあります。
UCOMMUNEはWeWorkと同じように中国全土に展開しており、深セン市内には10以上の拠点があります。福田保税区内のこのオフィススペースは現在月850元から借りることができるようでお得ですが、新型コロナウイルスの影響でテナントには空きが目立っているとのこと…
カフェ/バー「Pulse Cafe 2.0」
以前はこのUCOMMUNE内に「Pulse Cafe 2.0」というカフェ/バーが入居していました。
中国人オーナーの作るタコスはメキシコ人から深圳一美味しいタコスだと評判でした。
しかし…残念ながら2020年5月に閉店してしまいました。
コロナの影響ももちろんですが、もし去年のうちに福保駅が開通していたら…人々の動線が大きく変わって今頃は別の結果になっていたかもしれません。
ここでは時々貸し切りパーティーも行われ、個人的にも思い入れの強い場所だったので最後に紹介させてください。あぁ涙が…
今後の開通予定情報
10月28日に開通するのは今回の3号線(南延線)と、先日お伝えした2号線(東延線)と8号線(一期)となります。
今後の開通予定情報は以下の通り。加えて複数の高速鉄道/都市間鉄道も建設中です。
怒涛の開通ラッシュを迎える10月28日、楽しみですね。
もう一つの北東に延びる3号線「東延線」なども2020年内に開通予定ですが、これらの路線については追って別記事にてご紹介します。
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