
深セン市では、外国人観光客が免税品の還付手続きをより一層スムーズに行えるように出境免税口岸を5カ所に増設しました。市内免税店も大幅に増加し、ついに1000店を突破。加えて還付申請をオンラインで行える「出境免税アプリ」を正式リリースしました。
深圳市の出境免税口岸数は最多の5カ所に拡大、税関審査は5分以内で完了
中国国内で最初に「出国税金還付政策」を実施した都市の一つとなった深圳市は、2016年4月に同政策に対するパイロットプログラムを開始しました。2023年12月には「即時税還付」制度を導入し、現在は中国国内で最も多くの「出国時税金還付サービス」を提供する都市となりました。
日本の消費税に相当する中国の「増値税」は、基本的に購入商品に対して9%が上乗せされていますが、外国人旅行者が購入して中国外で使用する場合はこの9%が免税対象となります。深圳市はこの税還付をスムーズに行えるようにして、外国人観光客による消費を増やそうとしています。
深圳市は6月27日に福田口岸と深圳湾口岸を出境免税陸路口岸に追加指定しました。これにより、既に開設されている文錦渡陸路口岸、宝安国際空港、蛇口フェリーターミナルと合わせて出境免税口岸の数が5カ所に増えました。
今年1月から5月までの福田口岸における1日平均出入境者数は15.7万人、深圳湾口岸は13.1万人です。こういった海外旅客の「流量」を入境消費の「増量」に転化するべく、市財政局は商務局、口岸管理事務所、税関など関係各所と連携して免税口岸を増設してきました。
深圳市内の免税店舗は1000店を突破
加えて今年4月、深圳は中国国内初の「一単一包」利便化モデルを導入しました。このモデルは「店舗-旅客-税関」の全プロセスを密封管理し、税関の検査・通関時間を一件あたり5分以内と大幅短縮することで、旅客の待ち時間を大幅に削減するというものです。

同時に、深圳市は免税店舗を大規模拡大中。万象城、壹方城、深業上城(UpperHills)、K11 ECOASTといった深圳の有名な主要商業地区やすべての人気観光地を免税店対象範囲に含めて大幅増加させています。例えば羅湖区の東門歩行街では大湾区初の出境免税特色街区として整備され、免税口岸と店舗で連携してスムーズな税還付手続きができるように工夫されています。現在、深圳市は主要な商業地区に配置された12の集中税還付ポイントと、1,000を超える免税店を擁するようになりました。
また、深圳市は出境免税対象商品の品揃えをさらに充実させ、テクノロジー製品などの「深圳特産品」や国産トレンド商品などに重点を置いています。電子製品、宝飾品・衣料品、時計・眼鏡、家具・家電など、深圳の伝統産業を軸に、華為(Huawei)スマートフォン、荣耀(Honor)スマートフォン、大疆(DJI)ドローンなど世界トップクラスの商品や、永丰源国瓷(Yongfengyuan Guoci)などの中華老舗ブランドも対象としています。


市財政局のデータによると、今年1月から5月までの期間に免税商品売上高は前年同期比1.9倍に、また業務件数は2.8倍に増加し、大疆(DJI)、华为(Huawei)など中国産人気商品の取引件数比率は29.5%に達し、免税店舗数は年初比25%と増加しています。

「出境免税アプリ」正式リリース
最近、深圳市は「深圳离境退税小程序」という出境免税アプリ(WeChatミニプログラム)を正式リリースしました。出境旅客は当アプリからQRコードをスキャンするだけで、免税申請書類をオンラインで簡単に提出でき、審査や返金などが迅速に行えます。

このミニプログラムは「即买即退」(即買即返)という、購入した免税品の即時申請機能と、「预审快退」と呼ばれる事前審査および迅速還付機能を統合したものです。対象免税店舗(离境退税商店)で商品を購入後にオンラインで書類を事前審査し、出境時にQRコードで直接税還付金を受け取ることができるようになりました。


また、当アプリでは高徳地図などの地図アプリと連携して免税店舗の位置や電話番号などの情報を一画面で表示。また、日本語を含む14言語のサービスガイドを付属しています。またAlipayHKとWeChatPay HKのオンライン決済チャネルでスムーズな還付も行うことができるのだそう。

「出国時税金還付」「即買即返」手続きの流れ
「出国時税金還付」および「即買即返」の手続きの流れがアプリ内の説明欄に記載されていました。

日本へのお土産に深圳市内で購入した商品も対象となりますので、ぜひこのサービスを活用なさってください。
Source:
ShenzhenDaily:City expands instant tax refund service for overseas shoppers