深セン全市で自動配送サービス本格化、年内に無人配送車両1000台到達へ

急速に発展している深センの自動配送車は、2025年末までに1,000台を突破する見込みとなりました。市は10億元(約200億円)を投じてスマート道路インフラを整備し、自動配送車両のための「開放政策」を実施中。無人車両開発メーカーと官民共に連携して事業展開を加速しています。

自動配送の運行に最適な深圳市、年内に運営規模1000台を突破

深圳市は国家市場監督管理局により自動配送貨物輸送の標準化パイロット都市として指定されています。市は2019年にパイロットプロジェクトを開始し、交通、気象、ユーザー行動情報を統合するデータ共有プラットフォームを通じて車両の配車を最適化してきました。

現在、深圳の機能型無人車両の運営規模は約300台に達しており、この数字は北京や上海などの一線都市を遥かに上回っています。統計によると、深圳市内の無人車の1日平均運行距離は1,000kmを超え、都市部の80%以上の地域をカバーしており、1日平均配送件数は1万件を突破しています。

深圳市交通局によると、無人車両サービスは市内で100を超えるコミュニティとビジネス地区をカバーしており、6月には中国初の無人車両管理サービスセンターが設立されました。今後は5GとAI技術により、世界初の無人車普及率90%を超える都市となる見込みです。

深圳市は、密集した商業地区、高い人口流動性、発達した物流ネットワークといった独自の都市構造から自動配送車両の運行に最適な都市と言われており、無人車にとっては理想的なテストフィールドとなっています。深圳市の無人配送車は2025年末までに運営規模1,000台を突破し、年平均成長率は50%を超える見込みです。この拡大は産業エコシステムの成長も牽引します。

市は自動配送車両のための「開放政策」を実施

無人配送車の緊急事態総合訓練 Image via 深圳国资

深圳市政府は政策により、無人車両の開発障壁を撤廃しています。例えば自動配送向けに300kmを超える道路道路の通行権を開放しています。企業による通行権申請には「開放可能性、開放時間、開放車線、開放速度、開放規模」の6つの分野で評価検討し、平均承認期間はわずか3日という迅速対応メカニズムを確立しました。(他都市では承認に15日かかります)

政策は「一社一策」のオーダーメイドでも行われています。例えば美団のために夜間配送ルートの最適化を支援しているのだそう。また、産学研連携(日本で言う産学官連携)も行われており、清華大学深圳研究院と共同で研究室を設立して低遅延通信プロトコルを開発して応答時間をミリ秒級に短縮しています。応答時間の短縮は安全性確保にとても重要な要素となりますが、安全メカニズムとして「3段階警告システム」を導入してリスクをリアルタイム監視した結果、2023年には潜在事故1,000件を未然に防止しました。今後、深圳はレベル4級自動運転の研究開発に焦点を当て、2025年までに完全無人化運営の実現を目標としています。

政府はさらに10億元を投じてスマート道路インフラを整備し、5G基地局やセンサーネットワークを構築していきます。これらの取り組みは、深圳の「スマートシティ2030」戦略に基づき、無人車の道路利用率を50%に引き上げることを目標としています。2023年、深センの無人車両事故率は0.05%に低下し、ユーザー満足度は95%に達しました。今後、深センは500kmの道路網への拡大を計画し、都市間連携を模索中。ゆくゆくは大湾区無人車両回廊の構築を目指しています。

深圳市政府は税制優遇措置や研究開発補助金を提供し、2023年には50億元を超える投資を誘致しました。企業間では共同研究開発施設を設立し、特許技術を共有しています。例えば、美団と京東が共同開発した低消費電力センサーは、車両の航続距離を8時間に延長しました。

産業の急成長は雇用創出にもつながっています。深圳市は東部公交を運営主体として深圳城市职业学院(深圳都市職業学院)と協力し、自動配送専門人材の育成プログラムを実施中。2025年までに深圳の無人車関連職種は5,000件増加し、研究開発、運用維持、サービス分野をカバーする見込みです。深圳のこのモデルは全国に拡大中なのだそう。

深圳市内は無人配送車両メーカーが集結・協業

深圳市は、美団、新石器(Neolix)、順豊、京東、白犀牛(Rino.ai)といった業界をリードするメーカー企業を誘致して自動配送産業エコシステムを形成しています。これらの会社は単独で活動せず、協業しながら「深圳无人车联盟」という自動車連合を構築しているのだそう。

美団は「ラストマイル配送」に焦点を当て、深圳市内に100台を超える無人車を配備し、日平均5,000件の注文を処理しています。順豊は物流ハブを強化し、無人車を活用して中継効率を20%向上させています。京东はECの優位性を活かし、スマート小売車を開発しています。新石器(Neolix)白犀牛(Rino.ai)は清掃と巡回分野に特化し、多機能無人プラットフォームをリリースしています。

深圳巴士集团(深圳バスグループ)も無人配送業務に参入しています。前述の東部公交西部公汽と連携して(この3社は三大国有バス企業と呼ばれています)、深圳全市域における無人車両運営体系の構築を進めています。深圳巴士集团は市内のバスターミナルネットワークや地域サービス経験を活用して、物流のラスト1マイルを埋めようとしています。先日は梅林地区の無人配送路線が開始し、収穫されたライチが無人配送車によって運ばれています。当自動運転車輌は白犀牛(Rino.ai)と協業している模様です。

無人車は短距離貨物輸送、宅配配送、無人小売、スーパーマーケット、清掃、巡回など8つの分野に浸透し、「即時配送」サービスが行われています。短距離貨物輸送では、無人車が都市部の建材輸送の30%を担い、単回積載量は500キログラムに達しています。宅配配送では、日平均処理量が全国15%を占め、ユーザーの平均待ち時間は10分に短縮されています。無人小売車は500のコミュニティ拠点で展開され、月間売上高は1,000万元を超えています。スーパーマーケットとの提携では、カルフールとウォルマートの無人車配送割合が40%を超えています。清掃分野では、無人清掃車が日平均100万平方メートルの清掃面積をカバーしています。巡回車はセキュリティ用途で地下鉄駅公園をカバーしています。

AI関連の技術革新も一役買っています。AIの経路計画により、複雑な道路状況下でも車両が正確に運行できるようになりました。南山科技園では無人車が24時間連続運行を実現し、ピーク時の注文処理能力が30%向上しました。深圳市内の自動配送件数は年間80%以上の成長率となり、これは全国平均の35%を大幅に上回っています。これにより物流コストは20%削減され、二酸化炭素排出量も15%減少しました。今後、応用分野は医療救急や都市緊急対応に拡大され、深圳は無人車応用の世界的なモデルケースとなることが期待されています。


Source:

ITS智能交通:深圳无人车:从300到1000台的"中国速度"

深圳国资:全市域覆盖!深圳无人配送服务迈入新阶段→

深圳物流与供应链管理协会:深圳全城开放自动配送!千台无人车年底上路,锚定“无人物流第一城”

ShenzhenDaily:City builds China's 1st unmanned delivery network 深圳无人车运营全市域覆盖

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