「2019 健康セミナー」が、深セン日本人対応国際医療センター「Vista-SK」にて4/26に開催されました。前回と同様、出席者の半数が深センに来て半年以内とのことでした。
健康セミナーでは、中国語会話教室「スプリングフォレスト」代表 袁様による深センの紹介や、Vista-SKクリニック総合担当医 王艶先生による深センの気候に合わせた生活、注意点などお話を聞くことができました。
深センは日本と違い非常に温暖です。そのため家族で引っ越して来られた方にとってはお子さんの健康に特に気を使います。当セミナーは健康面での不安を抱える方々にとって非常に有益なセミナーでしたので、情報をシェアしたいと思います。
これから深センに来られる方、すでにお住いの方々にとってお役に立てれば幸いです!保存版です!
目次
深センの気候や特徴、中国の文化について
まず、「スプリングフォレスト」代表 袁様によるお話がありました。
深センの歴史や現状について、流暢な日本語で説明していただきました。
また、漢字(簡体字)の歴史についても教えてくださいました。
さすが教師なだけあって話がとてもお上手!すごく面白かったです!
スプリングフォレストの授業ではこのような歴史・文化などの興味深い話も取り入れているので、楽しく中国語が学べます!
健康セミナー!
そして、Vista-SKクリニック総合担当医 王艶先生による健康アドバイス。
食中毒対策:胃腸機能の乱れ・予防について
深センの気候は湿度が高く、5月過ぎた頃から真夏のような蒸し暑さで温度も高くなることから、食中毒患者が増えてきます。それによって胃腸機能が乱れ、急性胃腸炎や食中毒など起こります。
食中毒とは・・・食事が原因ですが、汚染されたものを食べたり飲んだりして、消化器に異常を起こす病気です。原因として細菌性食中毒が圧倒的に多く、その他にウイルス性食中毒・自然毒食中毒などに分けられます。
- 細菌性食中毒…カンピロバクター、腸管出血性大腸菌など
- ウイルス性食中毒…ノロウイルス、ロタウイルスなど
- 自然毒食中毒…フグ毒、毒キノコ、トリカブトなど
食中毒になる原因
- 細菌は高温多湿を好んで増殖するので、食品が腐敗しやすい
- 食品をあたたかい部屋に長時間置いたままにしておく
- 暑いので、冷たいものを摂り過ぎる
食中毒の4つの症状が、発熱・腹痛・下痢・嘔吐です。これらの症状によって、体の水分が蒸発し、脱水状態を起こします。
< 予防・対策 >
- 新鮮な食材をできるだけ選び、十分に加熱処理をすること
- 海鮮類の生ものはできるだけ避けたほうがよい
- 冷蔵や冷凍を利用して菌の増殖を防ぐ
- 手をよく洗う、調理器具をきちんと洗う
- 冷たいものをできるだけ控える
- 重い症状であれば、速やかに病院に受診する
食中毒は飲食店での食事が原因と思われがちですが、毎日食べている家庭の食事でも食中毒は発生するので、予防や対策を知っておくことは大切ですね。
蚊・虫刺され、怪我の対処法について
この時期は深センも虫刺されで悩んでいる方が多いのでは?知らないうちに蚊や虫に刺されることがあります。虫の種類を判明するのはなかなか難しいようです。しっかり予防・対策を知っておきたいです。
< 予防・対策 >
- 出来るだけ長袖を着る
- こまめに汗を拭く
- 虫除けスプレーを塗る
- 刺された傷口があれば、毒素を出して十分に洗う
- 悪化するようであれば、病院に受診する
※虫除けスプレーは足や腕だけでなく、体温が高い顔周り首元にも忘れずに!夏場は特に汗で流れてしまうので、日焼け止めと同じように、こまめに塗り直すことも大切ですよ。
怪我した時には、24時間以内に冷やし、48時間を超えたら温めることがよいとのことです。
アレルギー疾患対策について
現代の多くの人が何らかのアレルギー性疾患に悩まされており、まさに現代病の1つと言われています。花粉症もアレルギー疾患の1つです。先生いわく、「きれい好き」な日本人にアレルギー体質の人が多いとおっしゃっていました。
アレルギーとは・・・体には細菌やウイルスなどの異物などから身を守るための「免疫」という仕組みがそなわっています。しかし、アレルギーの物質「抗原(アレルゲン)」の侵入により、「免疫」のしくみが、食べ物や花粉など私たちの体に害を与えない物質に対しても「有害な物質だ!」と過剰に反応して、攻撃をし過ぎる結果、逆にマイナスの症状を引き起こしてしまうのが「アレルギー」です。
アレルギー疾患の原因・発症
- 乳児期に多く60%以上が、3歳までにアレルギーを発症する
- アレルギー性疾患の家族がいる ※遺伝と考えられるが、今の研究でも原因がわかっていない
- 思春期までに半分以上の人が自然に治るケースもある
抗原(アレルゲン)からの回避ですが、抗原(アレルゲン)の大部分が不明で、避けることは容易ではありません。例えば、ハウスダスト・ダニ・花粉・ブタクサ・大気汚染・生活環境・食品などの原因があります。できる限り接触しないために何ができるでしょうか。
< 予防・対策 >
- 外出時はマスクを使う
- うがい手洗い、顔を洗う
- 外から寝室に入る前に服を着替える
- 部屋の空気を入れ替える
- 空気洗浄機を使用する
発熱や子どものパニック発作が起きた時の対処について
Vista-SK クリニックは発熱の症状が原因で受診される方が85%とのことです。ロタウイルス感染症は子どもに多く、水疱瘡・風疹・はしか・気管支炎が原因で発熱することがあります。感染症によって発熱、ばい菌・ウイルス性のもの、インフルエンザ・ウイルスA型・B型・C型があります。
人間の体温は36℃〜37℃であれば、平熱で、人によって個人差があります。2歳未満の子どもは体温の変動が激しいので、39℃あっても子どもは元気に遊んでいるケースも多いようです。
< 熱が上がった時の対処法 >
- 発熱の原因を究明して正しく対応する
- 物理療法(氷で冷やしたり、シップなどで冷ます)で体温を下げる
- 脱水症状になりやすいので、少しづつ水分補給を行なう
- 大人は38℃以上、子どもは38.5℃以上を目安で解熱剤を使う
お母さんたちも子どもの発熱はとても分かりにくいとお感じのようで、すぐに解熱剤を飲ませるお母さんもいれば、高温であっても飲ませたくないお母さんもおられます。血液検査・感染症がないか検査をして、薬を飲ませる必要があるか考えなくてはなりません。
< 子どものパニック発作の対処法 >
- 安静な場所に子どもを移動させる
- 気管に入らないように、顔を傾け口の中の分泌物を出す
- 水や薬は飲ませまい
- けいれんが始まった時間とけいれんの長さを測る
- けいれんの時間が5分以上続いた場合は、速やかに病院へ受診する
子どもは39℃以上になると、けいれんを起こすことがあります。
けいれんのようなパニック発作が起こると落ち着いて対応するのは難しいですが、このように事前に対処法を教えてもらうのはありがたいですね。
施設内見学
セミナー後、Vista-SK施設内見学が行われました。定期検診の際の施設や診察室など見学させて頂きました。お子さん連れのお母さんたちが小児科施設を見学時に、「すべて整っているので安心できる」とおしゃっていました。
当イベントの先着予約者には事前情報があった通り、超音波検査無料券が配られました!
また、超音波検査無料券だけでなくVISTA-SK特製救急キットと、中国語会話教室「スプリングフォレスト」の無料体験レッスン1時間券もいただきました!これ、欲しかったんです!
貴重な経験をありがとうございました。参加者の皆様もお忙しい中ありがとうございました。
VISTA-SKでは、日本語で定期的にこのようなセミナーを行なっています。次回開催の予定など決まりましたらまた告知していきます!
VISTA-SKクリニック内の様子や詳細情報は以下の記事を参考にしてください。日本語での見学も随時承っているとのことです!