今年1年をかけて、大湾区の4都市にて順次開催されてゆくアート展「Art><Creativity 创艺互联」。2021年2月は南頭古城で開催中。
香港の新進気鋭アーティスト Angel Huiと、若手デザイナー Michael Leung による当エキシビジョンは「日常生活の中で見落としていること」というテーマで中国の古典『山海経』に由来する一風変わった作品群です。
目次
大湾区4都市で開催中の「Art><Creativity 创艺互联」展
「Art><Creativity 创艺互联」展シリーズは、大湾区内の4都市(深セン、広州、佛山、東莞)で開催。12人の香港のアーティストやデザイナーと深センのメディアアーティストの作品が展示されます。
2021年の間、7回に分けて開催されます(うち1回はオンライン)
Art Promotion Officeと香港デザイナー協会(Hong Kong Designers Association)の共催に加え、深センFringeアートセンター(Shenzhen Fringe Art Centre)と提携している当シリーズは、アーティストとデザイナーがクリエイティブなパートナーとして表現することで、革新的なアイデアが生まれ、創造性とアートを通じて香港と大湾区の他都市がつながることを目的としているとのこと。
今回ご紹介するのは、深センの南頭古城にて開催されている2アーティストの作品です。
「生活里不在意的它 /THINGS THAT WE OVERLOOK IN EVERYDAY LIFE」
イベントのテーマは、"生活里不在意的它 / THINGS THAT WE OVERLOOK IN EVERYDAY LIFE"(日常生活の中で見落としていること)というもの。
アーティストのAngel HuiとデザイナーのMichael Leungは、秦以前の古典『山海経』に登場する伝説の獣や空想上の風景に着目。訪問者が周りの些細なことに注目し、日常的なオブジェクトに新しい意味を吹き込むことを目標としているとのこと。
香港の新進気鋭のアーティスト、Angel Hui
Angel Huiは香港の新進気鋭のアーティスト。2011年の第10回「L&XF」中国ファッションイラストレーションコンペティションで優秀賞、2014年の香港ファインアート賞のファイナリスト、2015年のニューアートウェーブ国際アーティストで銀賞、2019年の第3回アートネクストエキスポ国際アーティスト賞の優秀賞など、数々の賞を受賞しており、香港、マカオ、北京、上海、成都、深圳、台北、オーストラリア、パリの展覧会でも展示されています。
伝統的な要素と現代的な要素を融合させて制作されたこのインスタレーション作品。日常にあるものの本質を変えるような形で展示されているのだそう。訪れる人が身の回りにある"普通のもの"の魅力を探り、その意味を考え、人生の価値観を再考することを促すことを目的としています。
香港の若手デザイナー、Michael Leung
香港の若手デザイナーとして知られるMichael Leungは、2010年にオランダのStudio AAを共同設立し、現在は香港を拠点に活動中。彼の作品はデザインのさまざまな側面を探求しており、ミラノやオランダデザインウィーク、DMYベルリン、ヴィトラデザインミュージアム、その他の国際的なデザイン展や美術館で展示されています。他にも教育機関での講義やワークショップを行っており、2008年にはDFA香港ヤングデザインタレント賞、2014年にはパースペクティブマガジンの40アンダー40賞を受賞しています。
《过了多重》IN DUST – The Weight of Timeと題するこの作品は、使い捨ての木箱を耐久性のある器に変えるシンプルでエレガントな「立方体」。時間が経つにつれ木箱には香灰が溜まり、抜け落ちた時間を感じることができます。
ネオンライトシリーズは、日常的なものから模様を抽出し意味を持たせることで、日常的なものが持つポジティブなメッセージを改めて考えさせてくれます。
『山海経』を生み出した古代の作家達は、当時の限られた知識の中で存在しない幻想的な生き物を想像し、独特の美学を生み出しました。山海経の創造的なコンセプトに由来するMichael Leungの2作品は、日常的なものをデザインで解釈し、そこから生まれた美学を伝えているのだそうです。
展示場所:南頭古城
展示場所は、昨年のリノベーション後次々とイベントを開催している「南頭古城」
深圳市南头古城NT105
期間:2021年2月28日まで
時間:11:00-18:00(月曜閉館)
南頭古城についての詳細情報は以下のリンクをどうぞ
日常からふと離れて、こういったアートを楽しむのもいいですね。2月28日まで開催です。