深セン市民の平均寿命は83.53歳：初の健康白書公開

2021-10-12 2022-05-08 5分27秒

深セン市保険衛生委員会は、住民の健康をテーマにした国内初の国家白書となる「2020年深圳住民健康白書」を全文公開することを明らかにしました。

白書によると、深セン市民の平均寿命は83.53歳。市民の過体重率は32.11％、小中学生の視力低下も見られます。

1 健康な中国の「深圳モデル」構築へ
2 深セン市民の20％が高血圧、高齢者の20％が糖尿病
3 喫煙率は19.79%、飲酒率は39.35%
4 深セン市民の30％が過体重、小中高校生の50％以上は視力低下
5 政府のヘルスケア投資額は5年間で2.5倍に
- 5.1 38種類の公衆衛生サービスを提供
6 深セン市は住民の健康意識を強化する方針

健康な中国の「深圳モデル」構築へ

深セン市は「健康深セン行動計画」《健康深圳行动计划（2017-2020年）》実施から4年、初めて「住民の健康に関する白書」《居民健康白皮书》を正式に発表しました。

白書は、深セン市民の健康状態や市の健康保護について包括的にまとめられており、健康な中国の「深圳モデル」構築に向けた新たな一歩となります。

深セン市民の20％が高血圧、高齢者の20％が糖尿病

白書によると、深セン市民の総人口における高血圧症の有病率は20.74％。そのうち、男性が25.95%、女性が16.89%であり、65歳以上の高齢者の55.51%が高血圧症です。高血圧患者が多いことから、脳卒中や急性心筋梗塞などの心血管・脳血管疾患が深セン市民の主な死因になっていることがわかります。2020年に市内で報告された脳卒中の件数は30,033件、急性心筋梗塞の件数は6,426件でした。

また、高脂血症に悩む住民も増えています。深セン市民の総人口における脂質異常症の有病率は39.71%。そのうち、男性が52.38％、女性が30.33％で、男性の方が女性よりも有意に高い結果となりました。

そして、高齢者の10人に2人が糖尿病を患っていると言われています。深セン市の総人口における糖尿病の有病率は7.23%でした。そのうち、男性が7.96％、女性が6.69％、65歳以上の高齢者が19.60％を占めています。

喫煙率は19.79%、飲酒率は39.35%

10人の深セン人のうち、2人がタバコを吸い、4人が飲酒しています。今回の調査では、深セン市の15歳以上の喫煙率は19.79％で、45～54歳の年齢層の喫煙率が最も高いことがわかりました。深セン市民の総人口飲酒率は39.35％。そのうち、男性が60.83％、女性が23.45％でした。

深セン市民の30％が過体重、小中高校生の50％以上は視力低下

深センの総人口の過体重率は32.11％。 男性の過体重率は41.00％、女性は25.53％です。総人口の肥満率は8.65％（男性が11.03％、女性が6.89％）。

深センの小中学生を対象とした以下の症状の発見率は、視力低下（55.59％）、高血圧（1.1％）、栄養不良（9.36％）、肥満（9.20％）、虫歯（35.38％）です。特に視力低下が気になりますね。

深センの高齢者の6割近くが慢性疾患を患っています。今回の調査では、深センの高齢者の慢性疾患の有病率は57.89%でした。多い順に、高血圧、糖尿病、その他の内分泌・栄養疾患、椎間板疾患、その他の慢性閉塞性肺疾患となっています。

乳幼児死亡率は1,000人あたり1.14人、妊産婦死亡率は10万人あたり4.79人、住民の健康リテラシーレベルは44.87％です。

政府のヘルスケア投資額は5年間で2.5倍に

深センはヘルスケアの投資に前向きです。この5年間で政府は第12次5カ年計画時の2.5倍となる総額1,500億元以上を医療に投資しています。基本的な公衆衛生サービスに対する一人当たりの補助金は、70元から134元に引き上げられました。

38種類の公衆衛生サービスを提供

また、国が提供する29種類の無料の基本的な公衆衛生サービスに加えて、深センでは独自の「補完パッケージ」を追加しています。電子カルテ管理から病気のスクリーニングなど合計38種類の無料の公衆衛生サービスを深セン市民は享受することができます。

また、深セン市は「健康中国2030」で掲げられている13項目の目標のうち、すでに10項目を予定よりも早く完了しているのだそう。現在、市内には17の地域医療センター、17の一次医療グループ、758の地域医療機関があり、各行政区には少なくとも1つの地域医療センターと一次医療グループがあり、各コミュニティには少なくとも1つの地域医療機関があります。