先日の香港・深セン短期出張では、「大中華商楽通」という中国本土・香港・マカオ・台湾でデータ容量無制限の最強SIMを使用してみました。もちろんGoogleやYouTube、X(Twitter)、LINEなどにもストレスなくつながります。
5G/4Gの高速通信なので、SIMをモバイルWiFiルータに挿せばご家庭で、また小規模事務所で使用できる無線ルータにもなるのでとても便利。しかし30日9,800円と本気の価格なのできちんと使えなかったら悲しいですね。香港と深センの往来時も果たしてスムーズに接続されるのでしょうか。設定から開通までレビューしてみました。
目次
日本での購入はAmazon/楽天から、中国での購入は専用販売ページから
「大中華商楽通」データ容量無制限SIMは中国移動国際公司(CMLink Global)の発行するもので、日本での購入はAmazon/楽天から。
【設定は簡単、便利】チャージ済のSIMカードをデバイスに装填するだけで利用可能。利用人数無制限!5G/4Gモバイルルーターに挿入すれば据置モバイルホームルーターに。香港専用線として中小事務所での利用もお勧めです。
中国国内からの購入は「邦人NAVI」でおなじみの、株式会社ビザイアの運営する販売店から購入可能です(以下のQRコード・リンクからアクセスできます)。注文後は(地域にもよりますが)2-3日ほどでSIMが自宅に届きます。
30日間単位で利用可能、継続使用もOK
利用可能な日数はデータSIMをアクティベートした日から起算して、30日間となります。
30日経過後も継続使用を希望される方は、info@rakulink.com まで、もしくは以下の「商楽通」専用WeChatアカウントをスキャンして連絡すると、日本語で各プランの紹介をしてくれます。
データ容量は本当に無制限!
私は日本ではドコモ系の格安SIMと楽天SIMを使っていますが、従量課金制だったり一定容量を使い切ってしまうと通信速度制限がかかってしまいます。そのため外出時はあまり使用しないように気を付けていますが、このSIMではそんな心配は無用。
毎日500Mbpsの5G高速回線が使用可能で、500Mbpsを超えた場合は4Gになるものの4G回線はデータ容量無制限。中国移動香港の回線のため、中国本土でVPNなしでGoogle・YouTube・X(Twitter)・LINEなどにも速度が落ちることなくアクセス可能です。データ容量を気にすることなくガンガン使えるのはストレスがありませんし、マジで快適です。
番号なしのデータ専用SIM
注意点としては、当SIMはデータ専用SIMのため中国の電話番号がないこと。DiDiなど中国本土の番号からSMS認証が必要なサービスは当SIMでは利用できないので、その場合は中国の番号付きSIMを別途購入・契約する必要があります。
回線スピード/電波状況検証:一部エリアでは弱いところも
今回私が滞在したのは香港と深圳市内のみでしたが、羅湖・南山・福田・宝安・竜崗を行き来して電波状況をチェックしてみました。もちろんエリアによっては電波が弱いところもあります。特に一部路線で地下鉄車内の移動中は弱いかなと感じることも。でも基本的には問題ないレベルです。
たまに低速の「E」(Edge)が表記されたりはしますが、基本的には4G/LTEが多かった印象。市街地では普通に5Gが届いており、日本で使用している時のスピードと遜色ないと感じます。
中国本土→香港に移動後、スムーズに切り替え
深圳市内でSIMを使用後、そのまま羅湖口岸を通って香港内に入境しましたが、スマホ側の設定は特に何もせず香港の電波をスムーズに拾ってくれました(※)。(スマホ・OSの機種によって異なる可能性があります。うまく切り替わらない方は、一度機内モードON/OFFで様子を見てみてください)
(※後述の通り、香港・マカオ・台湾で使用するにはCMLink専用サイトから一度限りの実名認証が必要です)
ホーム/モバイルWiFiルータに挿入すれば固定ネット回線化
中国国内でGoogle、LINEなどのサービスを利用するためにVPNに接続すると通常よりも回線が遅くなってしまいますが、当SIMは香港回線のため心配ご無用。
スマホやタブレット、パソコンやテレビなど最近は一人一人が使用するデバイスも増えてきていますが、当SIMをホーム/モバイルWiFiルータに挿入すれば最大10台まで同時接続できるそうなので、固定ネット回線代わりになり、自宅でアクセス制限のないネット生活が楽しめます。
そして香港・マカオ・台湾に行くときはSIMをスマホに差し替えればプリペイドSIMを購入する必要もなくなります。
モバイルWiFi/5Gルータ無料セットも用意
現在はプロモーション期間中らしく、1年契約をした方にはWiFiルータをプレゼントしているのだそう。また事務所用に5Gルータのセットも用意されています。
開通手続き
いくら高速でも、開通できなければ意味がありません。現地のプリペイドSIMを購入したはいいものの、うまくつながらなかった経験をお持ちの方もおられると思いますが、当SIMはどうでしょうか。開通処理の過程で少しわかりづらかった点もあるので、手順を説明します。
パスポート情報登録
事前準備として、パスポート情報を登録する必要があります。以下のQRコードをスキャン、もしくは https://www.bizaia.com/amazon/ のお申し込み情報登録ページにアクセスして、必要事項を記入してください。
アクセスできない場合は、「info@rakulink.com」宛に以下の情報を記載したメールを送ってください。
- SIMカード番号(「89852 34〜」から始まる20桁の ICCID)
- 携帯電話番号(国番号(日本:「+81」、中国:「+86」)を先頭に記入してください)
- 中国・香港・マカオ・台湾入国予定日
- パスポートの身分事項ページ(顔写真、旅券番号、名前などの記載ページ)の画像添付
香港・マカオ・台湾で使用される方は別途実名認証が必要
中国本土で使用される方は上記の手続きのみで登録完了です。一方、香港・マカオ・台湾でも使用される方は、遅くとも利用1日前までには以下のQRコードをスキャン、もしくは https://www.cmlink.com/ の実名認証ページにアクセスしてください。
これは一度限り求められる認証です。一度認証を行った後は、香港・マカオ・台湾と中国本土を往来しても再度認証を求められることはなく再設定も不要です。
Global Data SIM(全球数据卡)を選んで実名認証を行います。画面に沿ってSIMカード番号やパスポート情報を入力してください。
メールアドレスを入力しておくと、実名認証完了後にメールにて完了通知が届きます。
開通処理完了後、入力されたメールアドレスに開通完了の通知が届きます。
開通手続きは十分前もって
開通手続きは身分証明としてパスポート画像を送付するといった作業を行う必要があるため十分前もって、できれば渡航の7日前までに行うことが勧められています。
とはいえ、開通処理に要する時間の目安は意外に早く、平日日中なら1時間以内、土日は3−4時間ほど、祝日は1日ほどで使用可能になるのだそう。それでも手続きは早めに済ませておいてください。
各端末の設定作業(SIMフリー スマートフォン)
開通手続き完了後は、各端末にて以下の設定作業を行ってください。
iOS
OSのバージョンや機種によって表記の異なる場合があります。
1.SIMカードをスマートフォン端末に挿入する。
2.「設定」を開き、「モバイル通信」を選択。
3.当該SIM「CMHK」を選択後、「モバイルデータ通信ネットワーク」を選択。
4.「APN」の欄に「cmhk」と入力する(ユーザ名・パスワードの入力は不要)
5.「データローミング」をONにする。
Android
OSのバージョンや機種によって表記の異なる場合があります。
1. 「設定」を開き「モバイルネットワーク」を選択。
当該SIM「CMHK」を選択して、設定画面を表示する。
2. 「アクセスポイント名」を開き、APNの設定画面を開く。
3. 「APN」の欄に「cmhk」と入力する(ユーザ名・パスワードの入力は不要)
4. 「データローミング」を有効にする。
接続できない場合
接続できない場合は、「APN」(スマートフォンの接続初期設定)が正しく設定されているか再度確認してみてください。電波をつかむために、デバイスの電源を一旦OFFにして再起動したり、フライトモード(機内モード)をONにし、再度OFFにした上でお試しください。
他には、設定の「データローミング」をもう一度OFFにし、再度ONにすることでも電波を拾うことがあります。とはいえ、電波の届かないエリアでは接続することが難しいため、市街地など電波の入るエリアにて設定を行ってください。
せっかくSIMを購入したのにつながらない、という事態にならないように今回はできるだけわかりやすく接続方法を記載しました。「商楽通」SIMはモバイルルータにもセットできるので、自宅やオフィスでの活用のみならず複数人で中国渡航される場合なども活用範囲が広がりそうですね。
【設定は簡単、便利】チャージ済のSIMカードをデバイスに装填するだけで利用可能。利用人数無制限!5G/4Gモバイルルーターに挿入すれば据置モバイルホームルーターに。香港専用線として中小事務所での利用もお勧めです。