10月27日、深セン市で初の無人運転バス「熊猫公交」(パンダバス)が坪山区で運行を開始しました。アプリを利用して無料乗車が可能です。
バスのフロントは可愛いパンダの顔ですが、その中には様々なセンサーが設置されており、レベル4の自動運転技術を搭載しています。
目次
「熊猫公交」(パンダバス)
「熊猫公交」(パンダバス)は、「熊猫仔」(パンダボーイ)とも呼ばれ、子供にも人気が出そうな可愛い形をしていますが、以下の写真のように、顔の中に最新技術を仕込んでいます。
本体には6種類のセンサーを内蔵。運転中にAIアルゴリズムは、車両判断、意思決定、計画、および制御を計算。環境の検知や経路の自律的な計画、歩行者や障害物の回避など正確な判断を行います。
バスの動力はもちろん電気。1回の充電で250kmを走行可能です。
全方位カメラで車内も安全
車内には全方位カメラが設置され、窃盗や喫煙、乗客の転倒等の異状があれば速やかに通報され、適切な対処が行われます。
各座席の後ろにはディスプレイ画面が設置されており、乗客は様々なマルチメディアコンテンツを自由に見ることができるとのこと。飛行機みたい。
そして車両には掌紋認識システムが装備されているため、乗客は手のひらをスワイプして搭乗できるそうです。
乗車予約方法
一般の人々は「熊猫智行」ミニプログラムを使って無料で乗車できます。
「熊猫智行」ミニプログラム起動
WeChat上で「熊猫智行」と検索し、ミニプログラムをダウンロードしてください。
ミニプログラム起動後、「熊猫公交乘坐预约」を選択してください。
坪山駅周辺を運行
気になる運行エリアは高速鉄道の停車駅でもある「坪山」駅周辺。
地図で見ると、このあたりです。(遠い…)
以下の写真のように回遊しています。
自動運転技術は「レベル4」
熊猫公交の自動運転技術は現在「レベル4」です。Wikipediaによると、自動運転レベルは以下のように区分けされています(一部引用)
レベル0
ドライバーが常にすべての主制御系統(加速、操舵、制動)の操作を行う。
Wikipedia
レベル1(運転支援)
加速、操舵、制動のいずれか単一をシステムが支援的に行う状態。
Wikipedia
レベル2(部分自動運転)
システムがドライビング環境を観測しながら、加速、操舵、制動のうち同時に複数の操作をシステムが行う状態(ステアリングアシストなど)。ドライバーは常時、運転状況を監視操作する必要がある。2017年時点でのテスラのオートパイロットもレベル2に該当する。
Wikipedia
レベル3(条件付自動運転)
限定的な環境下若しくは交通状況のみ、システムが加速、操舵、制動を行い、システムが要請したときはドライバーが対応しなければならない状態。通常時はドライバーは運転から解放されるが、緊急時やシステムが扱いきれない状況下には、システムからの運転操作切り替え要請にドライバーは適切に応じる必要がある。
レベル3に該当するシステムは2017年秋時点でアウディが該当機能を搭載したA8の市販を2018年に開始すると発表。日産自動車は自動運転レベル3の技術を搭載した(プロパイロット3.0)を2020年にも実現することを発表した。
Wikipedia
レベル4(高度自動運転)
特定の状況下のみ(例えば高速道路上のみ、又は極限環境以外(極限環境とは、雷雨、大雨、大雪、あられ、台風、極低温環境、超高温環境といったシステムの正常な動作を妨害するような環境のこと)などの決まった条件内でのみ)、加速、操舵、制動といった操作を全てシステムが行い、その条件が続く限りドライバーが全く関与しない状態。基本的にドライバーが操作をオーバーライドする必要は無いが、前述の特定の状況下を離れると人間の運転が必要になる。
Wikipedia
レベル5(完全自動運転)無人運転
考え得る全ての状況下及び、極限環境での運転をシステムに任せる状態。ドライバーの乗車も、ドライバーの操作のオーバーライドも必要ない。安全に関わる運転操作と周辺監視をすべてシステムに委ねる。日本政府はレベル5の完全自動運転を2025年を目途に目指すとしている。
Wikipedia
日本では、2020年4月1日に、道路交通法の改正で公道上で「レベル3」の自動運転が解禁になりましたが、深センでレベル4が実用化というのはやはりスピードを感じさせます。
中国では2015年から自動運転技術をテストしていますが、ついに深センで初の運行を開始したのは大きな一歩ですね。今後も様々なハードルがありますが、着実にクリアしていきそうです。
Source:
ShenzhenDaily: First driverless bus in Pingshan sets out 深圳坪山首辆智能网联无人驾驶巴士上线
ShekouDaily: Driverless Buses are on the Road in Shenzhen’s Pingshan District