深セン市は条例施行により国内初の自動運転都市に!ロボタクシー乗車方法を解説

Image via 深圳晚报

深セン市は8月1日より「深セン経済特区スマートコネクテッドカー管理条例」を施行。この中国初の条例により深セン市は自動運転車が公道を合法的に走行できる新時代に突入しました。

市内ではアプリやWeChatミニプログラムから自動運転ロボタクシーの乗車が可能です。乗車方法を解説します。

「深セン経済特区スマートコネクテッドカー管理条例」とは

ロイター始め各メディアが報じているためご存知の方も多いと思われますが、今回深圳市の施行した《深圳经济特区智能网联汽车管理条例》(深セン経済特区スマートコネクテッドカー管理条例)はスマートコネクテッドカーの管理に関する国内初の条例で、これらの車は公安当局の交通管理部門による登録を受けてから道路を走行することが明確に規定されています。

当規定には事故の責任の分担も明確に定義されており、ドライバー乗車時の交通事故は既存の道路交通安全法令の関連規定を参照して対処する一方で、無人運転時の交通事故はインテリジェントネットワークに属する車の当事者・車の所有者およびマネージャーに属することとなります。

地元メディアは、今回の法規が自動運転車の発展に対する法的障害を取り除く努力を行うとともに、自動運転の商業化を実現するための道をさらに開くものである。と評しています。また、当法規は関連企業に対して自律走行システムの技術をシミュレーション、テスト、検証することを奨励しており、自動車のスマート化・無人化だけでなく、都市部の道路運用のスマート化・効率化や、都市部での無人運転車の安全性を高めること目指しています。「道路」が賢くなれば、自律走行車の車両側のコストを下げることも可能となります。

法令施行を受け自動運転車が深セン市内を走行開始

この規定の発表を受けて、深セン特別行政区内での自律走行が合法化されることになり、8月1日からすでに一部の自動運転車が深セン市内を走行開始。深センは中国で初めて「完全無人」自動運転車の走行が許可され、中国初のL3レベルの自動運転都市となりました。

Image via EV电动

現在、L4レベルの自律走行車には、LIDAR、カメラ、ミリ波レーダーなどのセンサーを搭載。これらのセンサーと「知覚融合アルゴリズム」により、周辺環境を360度知覚することができるのだそう。周囲の物体を再構成して抽象化し、すべての人・車両を正確に識別でき、複雑な都市の道路状況でも高い柔軟性を持ちます。

この完全自動運転タクシーがこれまでの自律走行アシスト車と大きく異なるのは、運転席にスタッフを座らせる必要がないことです(スタッフは助手席に乗車)。車両にはスクリーンが搭載され、周囲の人々や自家用車、自転車など、リアルタイムの道路状況が表示されます。

深セン市内でのロボタクシー利用方法

元戎启行:「元启行」WeChatミニプログラム使用

元戎启行(DeepRoute.ai)のロボタクシーを利用するには、WeChatで「元启行」ミニプログラムを検索します。

起動後、福田区内で乗車ポイントを選ぶことができます。

小马智行:「PonyPilot+」アプリ使用

小马智行(pony.ai)のサービスを利用するには、:「PonyPilot+」アプリをダウンロードします。アプリは「小马智行」公式サイトからダウンロード可能です。

ユーザー登録(SMS認証含む)後、利用可能となります。小马智行は宝安区前海エリアで稼働している模様です。

深センにおられる方はぜひお試しください。

法規の施行は深センに最先端企業が引き付けられる要素に

法令施行前も、自動運転タクシーはすでに深セン中心エリアの福田区に200台以上存在しており、毎日約70台が外で運行・試験を行っていました。

深セン市には、スマートシティのインフラとインテリジェントネットワーク接続型車両の共同開発のパイロット都市として、元戎启行(DeepRoute.ai)、小马智行(pony.ai)、百度Apolloなどの自動運転開発企業が集まってきました。

元戎启行は過去3年にわたり、深セン、武漢、杭州の指定エリアで700万キロメートル以上の走行テストを蓄積。同社が公開した動画によると、21キロのルートで、20の交差点を通過し、車線の不法占拠、交通指示や信号に逆らうなど、歩行者、電動バイク、自動車の違反行為に数十件遭遇しましたが、それぞれの違反行為にも迅速に対応し、迂回や障害物の回避を行うことができたのだそう。

元戎启行(元戎啓行)については以下の過去記事もご覧ください。

世界で初めて中国と米国の両方で自動運転ロボタクシーを開始した小马智行は、昨年末にも深セン市前海で研究開発センターを設立。このような開放的な自動運転政策は深セン市に最先端企業が引き付けられる要素の一つとなっています。

自動運転車の安全性を高めるには、ソフトウェアのアルゴリズムに加え、大量のデータへのアクセスも重要です。 小马智行は中国と米国でロードテストも行っていますが、莫璐氏によると中国の道路状況は米国よりもずっと複雑なので、中国で多くの自律走行テストを行うことが技術全体を早く改善することにつながり、将来的に新しい分野への展開がより迅速に行えるようになります。また、深センの地下トンネルの多くには数キロメートルの地下水路があり、加えて広東省には豪雨台風などの気象条件もあることから、これらのシナリオによって鍛えられることになり、実際に多くのソフトウェアやハードウェアの機能拡張が行われています。

Image via EV电动

タクシードライバーがリストラされる日も近い?

上海汽車集団(SAIC)の人工知能研究所の副所長でRobotaxi事業の責任者である戴娟氏は今年3月に、2025年にはコスト低下など技術の進歩に伴い、無人運転車が徐々に人間のドライバーに取って代わり、市場にいくつかの破壊的効果をもたらすと述べました。

多くの産業・職業にはライフサイクルがあり、タクシードライバーがリストラされる日も近づいていると言えるかもしれませんが、一方で今回の規制の実施により、自動運転車が市場に参入できない、免許が取れない、有料で運行できないなどの多くの問題が解決され、自動運転企業には新たな発展の機会がもたらされることになります。

各分野にプラスの影響が及ぶ

自律走行は他の車と異なり、AI、ビッグデータ、IoT、5Gなど様々な新興技術が絡んでおり、初期投資も巨額になります。技術開発、準備から商業的実現に至るまで、自律走行企業にとっては険しい道のりですが、 元戎启行によると、同社は業界で最も低コストとなる約 20,000 元の L4 レベルの自動運転ソリューションを開発しており、間もなく大量生産の準備が整う予定で、早ければ2025年には利益を出し始めると予想しているのだそう。

また、早期の商業化を実現するために、自律走行車メーカーはスマートロジスティクス産業に狙いを定めています。 元戎启行は、6月に德邦快递と協力協定を締結し、同社の自動運転小型トラックによる貨物輸送サービスを提供する予定です。これは中国初のL4自動運転小型トラックの商業化プロジェクトとなります。

Image via 深圳晚报

百度智能交通解决方案(インテリジェント交通ソリューション)総経理である聂育仁氏は、今年末までに深センで300以上の自動運転ステーションが接続できるようになり、そのころには一般市民の移動の利便性がさらに向上しているだろう、と予想しています。百度は無人の商用大型自動運転車などドライバーレス商用化の分野で特に力を入れており、今回の規制はプラスに働きそうです。

無人運転車両ビジネスは、戦略的新興産業として、イノベーション主導の発展のための新たな成長ポイントです。同市の無人運転車産業クラスター開発計画によると、その事業収入は2025年末までに2,000億元(295億6000万米ドル)に達すると予想されています。

中国の企業登録データ提供会社<天眼查>の中国企業登録統計によると、中国には自律走行分野に関連する企業が約4000社あり、そのうちの約20%が深センに拠点を置いているとのことです。


Source:

ShenzhenDaily: L4 robotaxi on road test as driverless cars become legal

EV电动:最新消息:无人驾驶车辆上路合法!

乐博乐博机器人教育:无人驾驶在深圳合法上路!“司机”真的要不复存在了?

直新闻:无人驾驶合法上路 深圳又把未来拉入现实

深圳晚报:全国首次!“真无人”自动驾驶汽车驶入深圳

元戎启行DeepRoute:加塞、逆行、鬼探头……全无人驾驶车辆能搞定吗?

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事