(3/16 追記)中国製ワクチン接種者は3月15日より中国入境条件緩和へ/中国版「ワクチンパスポート」概要

香港の外交部特派員公署は、3月15日より中国製ワクチン接種者はビザ申請者の必要書類(招聘状など)の提出やPCR検査陰性証明書を不要にするといった優遇措置についてアナウンスを行いました。

また、3月8日に中国版ワクチンパスポート「国際旅行健康証明書」もリリースされました。

今現状は、日本からの直接の渡航者に上記の措置は当てはまりませんが、スムーズな渡航に向けての準備が進められていることが伺えます。

2021.03.16 UPDATE: 当措置はイスラエル、タイ、ミクロネシアにも適用された模様です。(本文追記済)
2021.03.15 UPDATE: 中華人民共和国駐日本国大使館からもアナウンスがありました。項目追記します。

香港外交部特派員公署アナウンス(訳文)

香港外交部特派員公署の発表原文は以下のリンクをご覧ください。

Notice on Visa Facilitation for Applicants Inoculated with COVID-19 Vaccines Produced in China

以下訳文を掲載します(赤字は当サイトによるもの)

中華人民共和国外交部駐香港特別行政区特派員公署は、2021年3月15日より、中国と諸外国との交流を秩序正しく再開するため、中国製の新型コロナワクチン予防接種証明書を保持している以下のビザ申請者に利便性を提供する。

(一)中国に赴任し、多分野で仕事や生産活動を再開する外国人及びその家族は、コロナウイルス対策以前の要求に従って資料を準備し、申請書類を提出することができる。つまり、省級の外事部、商務部、または中央企業からの招聘状(邀請函(PU))、招聘状(邀請函(TE))、及び招聘査定書の提出は不要となる。

(二)「緊急人道主義の必要性」による中国へのビザ発給範囲は今後適切に拡大する。
中国国民または中国永住権保持者の外国人家族(配偶者、両親、子供、その他の同居の近親者(兄弟姉妹、祖父母、孫を指す))は、家族との再会、高齢者の介護・扶養、親族訪問、葬儀への出席、重病の親族の見舞いなどを目的としたビザ申請を行うことができる。

(三)有効なAPECビジネストラベルカードの保有者は、有効なAPECビジネストラベルカードの原本と、中国本土の招聘者が発行した招待状を提示することで、ビジネスビザ(Mビザ)を申請することができる。

なお、上記のビザ優遇措置は、中国で製造されたCOVID-19ワクチンを接種し、接種証明書を取得した申請者にのみ適用される(中国製ワクチンを規定の間隔を空けて2回接種した場合、または申請日の14日前までに中国製ワクチンを1回接種した場合)。PCR検査陰性証明書、および「過去14日間の行動記録申告書と健康宣言書」は不要となる。

その他の申請者は依然として外交部の香港特別行政区特派員公署が2021年2月9日に更新して発表した「Notice on Updated Requirements for Chinese Visa Application During Covid-19 Pandemic(外交部の香港公署の疫病発生期間ビザ申請の心得)」と「26 Q&A about Applying for Chinese Visa in Hong Kong SAR During the COVID-19 Pandemic(疫病発生期間に香港で中国ビザを申請する場合の関連する26の事項)」に従う必要がある。

中国外交部駐香港特別行政区特派員公署

当措置は外国人も対象となりますが、香港外交部特派員公署による発表であることから、まずは香港から中国本土へ入境する者を対象としている模様です。

(3/15)中華人民共和国駐日本国大使館でも発表

中華人民共和国駐日本国大使館も香港と同様の点が発表されました。

中華人民共和国駐日本国大使館:对接种中国生产的新冠肺炎疫苗人员赴华提供有关便利的通知

日本でも中国製ワクチン接種者はビザ申請時に優遇されることになります。

現状は日本で中国製ワクチンを接種する術がないため、中国製ワクチンを摂取した中国在住日本人が日本に渡航後、中国に帰国するパターンにまず当てはまりそうです。

(3/16)イスラエル、タイ、ミクロネシアにも拡大との報道

OneTubeDailyによると、日本・香港以外の大使館でもアナウンスされているとのこと。これにより、上記の5地域で中国製ワクチン摂取者に対する優遇措置が開始された模様です。

  • 日本
  • 香港
  • イスラエル
  • タイ
  • ミクロネシア

国際旅行健康証明書(ワクチンパスポート)

3月8日、中国版「国際旅行健康証明書」WeChatアプリが正式に開始されました。「ワクチンパスポート」とも呼ばれるこのアプリは、使用者のPCR検査結果および血清IgG抗体検査結果ワクチン接種状況を示す包括的な証明書となります。

利用者はWeChatで「国际旅行健康证明」を検索するか、以下のQRコードをスキャンすることによってアプリを使用することができます。初めてログインする前には、個人の身分証明書やパスポートなどの旅行書類を認証する必要があります。

健康診断書には暗号化されたQRコードが含まれており、各国の関連当局が真偽を確認したり、個人情報を読み取ることができ、紙媒体への印刷も可能とのこと。

現在は各国と相互承認調整中

しかし現在のところは各国との相互承認調整中であり、当機能も中国籍のユーザーしか使えません。

新华网によれば、近い将来、より多くの国が中国との相互承認協定を結ぶようになると、この国際旅行健康証明書は国境を越えた人々の健康的で安全かつ秩序ある移動を促進する上で重要な役割を果たし、中国国民が「世界を歩く」ための確かな保証を提供することになると述べています。

全人代にてワクチンパスポート・国際旅行健康証明書について話す王毅国務委員(3月7日)

日本政府や他国も同様の機能を備えたワクチンパスポートをいずれ導入するのではないかと期待されます。

香港のワクチン接種プログラム

香港のワクチン接種プログラムについては、在香港日本国総領事館が以下のリンクにてアナウンスを行っています。

在香港日本国総領事館:新型コロナ(その95:香港のワクチン政策)(3/10)

対象は香港居民(香港ID保有者(外国籍およびID申請中の者も含む)ですが、政府プレスリリースによると現在提供しているワクチンはSinovac vaccine(中国製)と、Comirnaty vaccine(ファイザー/ビオンテック社製)のようです。そのため、ここでファイザー/ビオンテック社製ワクチンを選んだ人は上記の入境緩和措置の対象外となる可能性が高いですね。

メディアの反応は

深センの英字メディアShekouDailyは、当措置を「中国での外国人の生活がまもなく通常に戻ることを示す兆候」と報じています。

また、ロンドンの中国ビザ申請サービスセンターも3月16日より業務を再開するとのアナウンスもあり、徐々に交流が再開されるとの期待が高まっています。一方、香港では現在新型コロナ第5波の流行が懸念されており、まだ予断を許しません。せめて各国と情報連携が早く行われ、渡航者がスムーズに往来できるようになってほしいですね。


Source:

ShekouDaily: BREAKING NEWS: Some Vaccinated Foreigners Can Now Enter China

WorkVisaService: 【Breaking News】Visa Facilitation for Applicants with Vaccines

领事直通车:好消息!中国版“国际旅行健康证明”正式上线

新华网:如何获取国际旅行健康证明

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