【フォーチュン世界500強ランキング】大湾区企業は25社がランクイン
Photo Credit : Tony

2021年8月2日に発表されたフォーチュン世界500強ランキング。中国企業は143社がランクインしましたが、そのうち大湾区(広東・香港・マカオ)企業は25社(うち深セン企業は8社)となりました。

ランクインした25社の内訳や4大ベイエリアの産業パターンをご紹介します。

フォーチュン世界500強ランキングとは

アメリカ合衆国のフォーチュン誌が毎年1回発行するリストの1つであるフォーチュン世界500強(Fortune Global 500)企業リストは世界中の会社を対象とした総収益ランキングで、企業のグローバルな発展や地域経済の変化を観察するためにも用いられています。

「ベイエリア経済」

2021年フォーチュン世界500強にランクインした企業のうち、世界4大ベイエリア(東京/サンフランシスコ/ニューヨーク/広東・香港・マカオ大湾区)内に本社を置く企業は合計99社で、過去最多となりました。

内訳は、40社が東京ベイエリアに本社を置いており、4大ベイエリアの中ではトップ。大湾区は25社、ニューヨーク・ベイエリアは24社、サンフランシスコ・ベイエリアは10社の順になります。

世界500強企業の約1/5がこのベイエリアに集まっていることになります。世界銀行によると、このベイエリア経済は世界の経済生産高の75%以上を占めているとのこと。

大湾区は25社がランクイン

中でも、広東・香港・マカオ大湾区(以下「大湾区」と表記)は25社がランクインし、ニューヨーク・ベイエリアを初めて上回りました。 このランキングを見ると、去年より4社が新規にランクインし、17社がランクアップ。中でも、招商局集团(China Merchants Group)、腾讯控股(Tencent Holdings)、联想集团(Lenovo Group)は50位以上ものランクアップを記録。 広東・香港・マカオ大湾区は、産業の相乗効果において多くの利点があるとのこと。

Image via 前海蛇口自贸投资

深セン企業は8社がランクイン

都市分布を見ると、大湾区の25社のうち、香港9社、広州5社、深セン8社となっており、香港・広州・深センに集中しています。

深センの8社は以下の通りとなります。

  • 16位:中国平安(Ping An of China)
  • 44位:華為(Huawei)
  • 68位:正威国际(Zheng Wei International)
  • 122位:恒大集团(Evergrande Group)
  • 132位:騰訊(Tencent)
  • 160位:万科(Vanke)
  • 162位:招商银行(China Merchants Bank)
  • 396位:深圳投控(Shenzhen Investment Holdings)

中でも中国平安(Ping An of China)は、昨年より5位上昇し1915億米ドルの収益で世界ランキング16位にランクインしました。堅調な業績の伸びが評価され、世界の金融企業の中では2位、中国のランキングでは5位にランクインしました。

そして、華為(Huawei)は昨今の逆境にもかかわらずランキングの上昇傾向を維持し、2020年の49位から44位に上昇。23位ものランクアップを果たした68位正威国际(Zheng Wei International)は、戦略的投資も精力的に行っているハイテク産業グループ。従来の工業経済から新世代の電子情報・新素材へと産業を転換しています。

132位騰訊(Tencent)は65位のランクアップ、160位万科(Vanke)は48位のランクアップ、2020年に500強入りした396位深圳投控(Shenzhen Investment Holdings)は46位のランクアップとなりました。

4大ベイエリアの産業パターン

4大ベイエリアの産業パターンを水平に比較すると、東京は工業、ニューヨークは金融、サンフランシスコは技術、大湾区は金融・技術・製造といった特徴が見られます。

Image via 深圳卫视深视新闻

東京ベイエリアは、石油化学、鉄鋼、自動車、造船、物流などの産業があり、製造業ではトヨタ、日産、三菱重工、キヤノン、東芝、日立など、フォーチュン世界500強に選ばれる企業が相当数存在します。

ニューヨーク・ベイエリアは、国際的な金融・海運の中心地であり、JPモルガン、シティグループ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーなどの金融機関が数多く存在し、資産規模も大きいです。ランクインした24社の平均資産規模は7,166億9,600万米ドルで、他のベイエリアの平均資産規模の2~3倍に相当します。

一方、サンフランシスコ・ベイエリアは、主に技術革新によって支えられており、Apple、Alphabet(Googleの親会社)、Facebook、Hewlett-Packard、Intelなどのインターネット大手がリストアップされており、リストアップされた10社のうち7社がテクノロジー業界の企業です。

大湾区におけるフォーチュン世界500強企業の産業構造は比較的包括的で、自動車、家電製品、不動産、インターネット、金融・保険などの主要産業を基本的にカバーしています。 同時に、戦略的新興産業が明確に推進され、華為(Huawei)や騰訊(Tencent)などのテクノロジー企業の国際的な競争力が徐々に高まっています。

このようなリストは、中国が東京含む他のベイエリアの動向をどのように見ているかを観察する上でも興味深いですね。皆さんはランクインしている大湾区の企業をどれほどご存知だったでしょうか?


Source:

深圳卫视深视新闻:首次超越纽约湾区!世界500强再洗牌,粤港澳大湾区实力上升

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