WeChat(微信)は「微信刷掌支付」ミニプログラムをリリースしました。これによりユーザーは決済端末の設置されている店舗にて手のひらを用いた「掌紋決済」が可能になります。
現在、深セン市内では掌紋決済対応端末をテスト運用中。街中で見つけたら試してみたいですね。
掌紋決済端末はテスト運用中
掌紋決済対応端末にはディスプレイ画面と掌紋認証用のセンサーがあり、ユーザーは注文の決済時に手のひらを認識エリアに置いてスキャンするだけで、デバイスに触れることなく商品の決済を完了できるという非常にスムーズな操作性を実現しています。
騰訊科技は、2022年3月24日、掌紋決済端末「刷掌设备」の特許を申請しており、7月26日に認可されていました。現在、深セン市内のいくつかの加盟店で試験運用中。テンセントはこの掌紋決済分野への加速を止めておらず、コード決済、顔認証決済に続き、掌紋決済も今後もう一つの主流の決済手段となる可能性があります。
「微信刷掌支付」WeChatミニプログラム
「微信刷掌支付」WeChatミニプログラムは”财付通支付科技有限公司”の開発したものですが、当ミニプログラムを開くと以下のような画面となります。
微信刷掌服务(サービス)を有効にしないと支払いの体験ができず、現段階ではまだ決済端末を利用できるエリアも少ない模様です。
顔認証決済は?
顔認証があるのになぜ掌紋決済も対応するのか?と疑問に思われた方も多いでしょう。
テンセントやアリババは顔認証決済の実現に多大のリソースをつぎ込み、大規模に商用化した結果、多くのスーパーで対応端末が設置されています。
しかし、顔認証決済の普及は順風満帆に進んだわけではありません。ここ2年ほどは新型コロナによりマスクをつけているとユーザーが顔情報を正確に認識できないなどの問題が起きています。その結果顔認証決済の取引量が減少し、展開に支障が出ているのだそう。
また、顔決済では、大量の顔情報が闇市場で売買されたり、ユーザーの顔情報が不正登録や詐欺などの違法・犯罪行為に利用されるといった懸念が出ています。
決済大手各社も、より市場のニーズに合った決済技術を求めて方向転換を始めており、掌紋決済が注目されています。微信支付(WeChat Pay)だけでなく、Alipayや多くの商業銀行が、またAmazonも掌紋決済の導入を検討しているのだそう。
掌紋決済は今後急速に台頭していく可能性を秘めてはいますが、顔認証決済が完全に取って代わることはなく、恐らく掌紋決済やQRコード決済と共存していくと思われます。
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