深センと珠海／中山をつなぐ「深中通道」「深珠通道」は未来の橋！

香港・マカオと広東省内の珠江エリアを統合する「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」構想において、すごく大事なのが交通インフラ。

先日、虎門大橋が異常な揺れを起こしたことで通行止めになったとのニュースがありましたが
現状は車で深センから対岸の中山市や珠海市に行く時にはこの虎門大橋に頼らざるを得なくなり、交通渋滞も引き起こしています。

そこで、今後の発展のために現在計画進行中なのが、中山市と深セン市を結ぶ「深中通道」。そして珠海市と深セン市を結ぶ「深珠通道」。ただの橋ではなく世界最大の高度となり、２つの人工島も建造して海底トンネルでつなぐという非常に高度なプロジェクトです。

Source:

招商蛇口珠海公司：重磅！深珠通道走向曝光，金琴快线二期来袭！

每日頭條：深珠通道規劃出爐，定在2035年通車，13處立交，連接這些地方

JETRO：深セン市と珠海市をつなぐ「深珠通道」建設計画を発表

591.com.hk:【深珠通道】深圳到珠海未來或半個小時可達

腾讯网：深中通道过后又来一条深珠通道！对广州南沙的预言来了

深中通道发布：​品质匠心 百年工程 | 深中通道：建世界一流可持续跨海通道 创珠江口百年门户工程

ShenzhenDaily: Hi-speed rail to make connection at SZ airport 定了！深茂铁路将在深圳机场设站

開通すれば30分で行き来が可能に

同じ広東省内の深セン市と珠海／中山市は「粤港澳大湾区」構想において重要な特別経済圏ですが、お互いは「珠江」と呼ばれる三角州河口の東西両岸に位置しています。

そのため、2020年現在は車で珠海と深センを往来しようとすると北側の虎門大橋を迂回する必要があるため2〜3時間かかってしまい、交通が不便です。

2018年には世界一長い橋「港珠澳大橋」が開通したことで香港・マカオ・珠海へのアクセスが格段に良くなりましたが、深センへのアクセスはまだまだ課題があります。

そこで計画されているのが「深中通道」と「深珠通道」。珠江三角州に橋をかけて深センをダイレクトにつなぐプロジェクトです。開通すると30分で行き来ができるようになるそうです！

開通後はバスも運行すると思われますし、隣町に気軽に行くレベルになりそう。

深中通道：深センと中山をつなぐ橋＋海底トンネル

深中通道は、中山市と深セン市をつなぐ橋と海底トンネルのハイブリッド。

このマップが非常に分かりやすいのですが、マップの左から見ていくと
中山市側では中山大橋がかけられ、伶仃洋大橋へとつながります。

伶仃洋大橋の高さは世界記録の90メートル！

深中通道の重要な部分となる「伶仃洋大橋」は、高さ90メートルになる予定で、海で最も高い橋になるとのこと！これにより巨大なコンテナ船もスムーズに通れます。

人工島で海底へ

そして、深セン側に近づいた地点では西人工島が建設されています。そこから道路は海に潜り海底トンネルとなります！

これすごい。まさに未来の橋です。

双方向の8車線

深中通道では横幅46メートルの双方向8車線道路となります。これで虎門大橋の渋滞は相当緩和されるはず。

海底トンネルの長さは6.8kmあり、西人工島から海底に潜った後は深セン側で建設されているもう一つの人口島「東人工島」により地上に上がってきます。

深セン側ではこのような形で各道路と接続される模様です。

宝安国際空港や福永港にもすぐにアクセスできますし、各高速道路とも接続が簡単になります。

2024年開通予定！

現在絶賛工事中ですが、開通は2024年。待ち遠しい！

WeChatの「深中通道发布」公式アカウントをフォローすると、現在の工事の様子をいろいろ見ることができます。高度な技術の結晶であることが分かります！

深珠通道：深センと珠海をつなぐ高速道路＋高速鉄道

もう一つの重要なインフラとなる深珠通道は、深中通道よりも少し南側に位置します。

珠海市と深セン市を結びますが、こちらは高速道路と高速鉄道になります。

双方向の6車線+ 4ラインの高速鉄道！

南山区の西丽駅から双界河に沿って前海に到達し、その後珠海側に向かいます。
道路は6車線、そして4ラインの鉄道路線が走ります。

高速鉄道は「深珠高鉄」と呼ばれ、珠海側は淇澳島を通過して唐家駅に接続、五桂山を通り(珠海市斗门区)莲洲へ、そして高栏港に向かうのだそう。

高速道路は、金琴快线・广珠西线・江珠高速・珠海机场高速・高栏港高速・银洲湖高速・新台高速など、広東省内を走る数々の主要高速道路と交差することになります。

「深珠通道」の完成は…2035年！

「深珠通道」は、2035年に開通する計画なのだそう。15年後ですね。

記事によると、これらの都市計画は100年に及ぶもので、そのスパンで見ると15年後の完成は長いものではない、とのこと。

我々外国人にとっては15年後もここにいるかは分かりませんが、強度の保たれた安全な橋を造るのは時間がかかりますよね。大掛かりな工事ですし安全第一での建設を期待したいです。

深センー中山／珠海の経済発展に大きな影響が

人口700万を超えるサンフランシスコのベイエリアでは海を渡る橋が5つあります。それに対してこちらの「粤港澳大湾区」の人口は6,300万人を超えています。人口や規模と比較して橋の数が少ないのだそうです。

ベイエリアには橋が不可欠

 
2018年に完成した港珠澳大橋、そして建設中の深中通道、深珠通道。

この3つの海横断通路が完成することで物流や人の流れが大きく変わり、深センと中山そして珠海の経済発展が大幅に促進していくことになります。

ベイエリアの長期的な発展に欠かせないこれらの交通網、本気の開発が今後も進みます！