中国トップ企業の頭脳を深センへ:「6大本部基地」特集

現在深センでは中国トップ企業の頭脳を集めるべく、深セン市内に「6大本部基地」を誘致して大手企業の本社移転を促しています。

DJI新本社やシャオミ国際本部に加え、ザハ・ハディド建築事務所設計の複合施設なども話題の本部基地。数年後には大湾区経済発展の核となることが期待されています。

Cybozu Conference オンラインセッション開催!(8/18)

「6大本部基地」とは

「本部基地」(中国語名:深圳六大总部基地)とは、オフィス、科学研究、パイロットテスト、産業を統合した企業本部の基地を形成する複合体のこと。

華南地区・大湾区の新たな中心地とすべく、この本部基地には洗練されたデザインのオフィススペースや会議施設の他に商業施設、文化施設なども併設して大手企業の本社移転を誘致し、シドニーやシンガポール、コペンハーゲンのような活気ある都市環境を形成していくのだそう。

Image via 大湾区推进动态

深センは現在、異なる位置関係と機能属性を持つ以下の6基地を構築中。今後の経済発展の核として期待されています。

  1. 留仙洞总部基地
  2. 福田中心区总部基地
  3. 后海中心区总部基地
  4. 深圳湾高新区总部基地
  5. 龙华核心区总部基地
  6. 深圳湾超级总部基地

留仙洞本部基地

南山区にある「留仙洞」は、大湾区発展の要となる高速鉄道のハブとして建設中の西麗(西丽)駅に隣接するエリア。2019年に行われたメイカーフェア深セン会場の目と鼻の先です。

留仙洞本部基地(留仙洞总部基地)は、新世代情報技術の研究開発・応用の国際的な実証基地として位置づけられた新世代工業団地。

Image via 深圳壹地产

計画によると、本社基地の総敷地面積は135.5ヘクタール、建設計画面積は683万平方メートルで、緑の回廊と主要道路を中心に7つの開発管理単位に分割されます。

Image via 深圳壹地产

「万科iworld商业街区」という、モールと緑の回廊や商業街を合わせた商業区も建設中。そして地下鉄13号線「万科云城」駅は留仙洞本部基地内に新設され駅前アクセスも抜群です。

DJI新本社「天空之城」が建設中

留仙洞本部基地の中で際立つ会社といえば、DJIの新本部。本社デザインは有名なFoster + Partnersによるもの。総建築面積は24万1,700平方メートル。本社ビルの中にドローンのテスト飛行のための特別な実験エリアを設けるのだそう。

Image via 聚焦深圳

DJIの他にも、乐普医疗(Lepu Medical)、天珑移动(Tianlong Mobile)、传音手机(Transonic Mobile Phone)、深信服(SANGFOR)、光峰光电(Appotronics)など、Fortune 500社に含まれる企業や航空宇宙産業などのハイテク企業も本社移転予定。航空宇宙、ロボット、医療などの産業発展に焦点を当てています。

福田中心区本部基地

福田中心区本部基地(福田中心区总部基地)は、深セン市の金融センター、展示センター、メディアセンター、多国籍企業の地域本部センターです。

Image via 云街CloudAvenue

計画面積は約4平方キロメートル。 市政、文化、商業、ビジネスの中心地として機能している福田中心区には
市内のベンチャーキャピタル機関の80%と300以上のプライベート・エクイティ・ファンドが集まっています。

后海中心区本部基地

后海中心区本部基地(后海中心区总部基地)は「后海金融商务总部基地」(Houhai Finance and Business)とも呼ばれ6大本部基地の中で唯一の金融拠点とされています。

総面積は2.55平方キロメートルで、約1.13平方キロメートルの建設面積を計画し、総建設面積は480万平方メートル。 タケノコビルと言われる深圳湾万象城に隣接するエリア一帯に建設されていきます。

Image via 云街CloudAvenue

シャオミ国際本部が移転予定

当エリアにはすでにAlibaba Groupを始め多様なグローバル企業が稼働していますが、中でも以前に紹介したシャオミ(小米/Xiaomi)国際本部は目玉の一つ。

他にも、中粮集团(COFCO)、汇丰银行(HSBC)、永亨银行、中国银行(香港)、大新银行(DAHSING BANK)、顺丰速运(SF Express)、恒生银行(HANG SENG BANK)、香港卫视(HKS TV)など50以上の企業が移転予定です。

深圳湾高新区本部基地

深圳湾高新区本部基地(深圳湾高新区总部基地)は前項の后海中心区本部基地よりも北側に位置し、多くのハイテク企業の本社が集まります。

Image via 云街CloudAvenue

計画面積は11.50平方キロメートルで、公園を中央、南、北の3つのゾーンに分け、総建築規模は1,000万平方メートル。

竜華核心区本部基地

竜華核心区本部基地(龙华核心区总部基地)の周辺は、深港高铁、深厦高铁、地下鉄4号線といった高速鉄道や地下鉄が合流しており、非常に拡張性の高いエリアです。

Image via 云街CloudAvenue

総面積は約123ヘクタール。計画では350万平方メートルの延床面積が見込まれています。高速鉄道・地下鉄のハブとなる深圳北駅を中心に、交通・物流・ビジネスオフィス・商業サービスを主な機能とした都市の「サブセンター」的な位置付けとして期待されています。

将来的には60のオフィスビルに、20〜30の大規模な本社企業や上場企業の導入を計画しているようです。 当エリアは他の本社拠点と比較して福田中心部からの直線距離が最も短く、両中心部の経営資源を相互に放射することができるというメリットがあるのだそう。

深圳湾超級本部基地

「スーパー本部基地」とも呼ばれる深圳湾超級本部基地(超级总部基地)は、香港から海を挟んで対岸に位置しています。

総面積は1.174平方キロメートルで、総建築面積は約550万平方メートル。深圳湾公園に囲まれ、ロケーションも抜群な未来都市になりそうです。

Image via 大湾区推进动态

多くのFortune 500企業が入居交渉を行っているようで、現在移転が決まっているのは中信证券(CITIC Securities)、深铁万科瑧湾汇外,万科(VANKE)、恒大集団、中兴(ZTE)、碳云(iCarbonX)、恒力(HENGLI)、中国电子(CEC)、神州数码(Digital China)など。

OPPO本部も建設中

前述のリンク内でもご紹介しましたが、世界シェア4位のスマートフォンメーカー「OPPO」本部も当エリアに移転します。ザハ・ハディド建築設計事務所(Zaha Hadid Architects)による斬新なデザインで、2025年に完成予定。

Image via 深圳湾区城市建设发展有限公司

文化・商業施設を備えた高層ビル「Tower C」

そして、深圳湾超級本部基地の中でも一番目立つ高層ビル「Tower C」のデザインも2021年1月に公開されました。コンペで優勝したのは上述のOPPO本社を設計担当しているザハ・ハディド建築設計事務所。

Image via Zaha Hadid Architects

ビルの高さは約400メートル。近未来的なデザインの内側はオフィススペース、ホテル、展示センター、ギャラリー、ショッピング、エンターテイメント、レストランなどが入居する複合施設となる見込み。

前海合作区を加えて、より一層の発展が見込まれる

一部では上記の6大本部基地に加えて、成長著しい前海合作区(前海深港现代服务业合作区)を加えた「6+1」として呼ぶこともあるようです。(以下の画像は若干位置がずれていますが…)

Image via 中原荟CentalineClub

一流企業を惹きつけるロケーションと目を見張るデザインに加え、周囲の自然環境にも配慮したこれらの本部基地。今後の深センの発展を強力に牽引し、大湾区のエンジンとなっていくのでしょうね。


Source:

SZ豪宅:干货 | 深圳六大总部基地PK?

深圳乐居:深圳6大总部基地PK,真正的“洼地”在留仙洞?

大湾区推进动态:深圳湾超级总部设计方案出炉 深圳六大总部基地有哪些

聚焦深圳:大疆总部「天空之城」曝光┃深圳总部基地迎来全球化概念新范式

深圳壹地产:留仙洞总部基地又有新动作,一大批“网红打卡地”即将诞生!

Foster + Partners: DJI Headquarters

Zaha Hadid Architects: ZHA to build Tower C at Shenzhen Bay Super Headquarters Base

中原荟CentalineClub: 后海总部“上新”了,深圳湾房价会否再上新台阶?

云街CloudAvenue:盘点深圳六大总部基地,你最看好哪一个?

深センといえばこの本!
ITエンジニアのための中国語入門
いまやIT超大国となった中国。中国IT企業とのやりとりで中国語を使ってみよう!
日常会話からビジネスシーン会話、プログラミング開発中の会話まで、最新の中国語事情に沿って多彩なフレーズを収録。中国企業で働く日本人エンジニア、中国企業と取引のある日本人エンジニアは必携です!
細谷 竜一 (著), 中野 志穂 (著)
プロトタイプシティ 深センと世界的イノベーション
「まず、手を動かす」が時代を制した。次にくるメガシティはどこか!?
スーパーシティよりも、まずプロトタイプシティ! テンセントが未来都市を作る街、新時代都市・深セン。 成功の鍵は“プロトタイプ駆動”にあった。

高須 正和 (編集, 著), 高口 康太 (編集, 著), 澤田 翔 (著), 藤岡 淳一 (著), 伊藤 亜聖 (著), 山形 浩生 (著)
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)
本書は「ハードウェアのシリコンバレー」として世界の注目を集める広東省深セン市がどのような変遷をたどって今の地位を築いたのか、2001年から深センで電子機器製造に従事する筆者の人生を通じて解き明かします。

藤岡 淳一 (著)
ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険
これまでの常識を破壊し,自らの手で新しいものを生み出していくための考え方や仕組みを,世界的なハードウェアハッキングの第一人者が実体験とともに解説。世界のイノベーションの中心地の1つである深圳におけるビジネスの仕組みや知財の考え方,ニセモノ製品の裏側,子供でも作れるシール式電子回路Chibitronicsなど刺激的な話題を凝縮した驚異の書。エドワード・スノーデン,伊藤穰一(MITメディアラボ所長)ほかテクノロジー業界の著名人の推薦続々!

アンドリュー“バニー”ファン (著), 高須 正和  (翻訳), 山形 浩生 (翻訳) 
メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 (OnDeck Books(NextPublishing))
iPhoneが製造されている中国の工業地帯、深圳。そして最も偽物のiPhoneが「発明」されているのも、深圳。「製造業のハリウッド」と呼ばれるかの地では、秋葉原の30倍の電気街をもち、100倍のベンチャー企業が最先端の電子ガジェットを作り、世界中にクラウドファウンディングで販売しています。そんな「IoT(モノのインターネット)」の中心を、高須正和・井内育生・きゅんくん・江渡浩一郎らが渾身のレポート。日本と深圳で自らベンチャーを行う小笠原治・藤岡淳一も寄稿。解説:山形浩生。

高須 正和 (著)
これ一冊でもう迷わない!!問屋街オタクが教える深セン電気街の歩き方(探検MAP及び書籍内リンク付き): 中国深センの巨大電気街「華強北」探検MAP 問屋街オタクシリーズ Kindle版
深センは中国の経済特区のうちの一つであり、香港に隣接しているという特殊性に加え、中国のシリコンバレーといわれるほど著名なIT企業や最先端技術を有する企業が集結しています。その窓口である華強北電気街へぜひ足を運んでみてください。期待を裏切らない驚きが待っています。

鈴木 陽介  (著)
これ一冊あれば大丈夫!!広東アパレル問屋街15ヶ所一挙大公開!(探検MAP及び書籍内リンク付き): 中国広州、中山、東莞、深センのアパレル問屋街探検MAP 問屋街オタクシリーズ Kindle版
本書は中国広東省にあるアパレルの問屋街をまとめて紹介しております。 その数なんと、15ヶ所!本書を通じて、広東省にある問屋街の多様さをぜひご体感ください!

鈴木 陽介  (著) 
問屋街オタクの深セン起業「ウラ話」: 華強北でハースタしています!! 問屋街オタクシリーズ Kindle版
本作は、問屋街オタクの直近3年間の奮闘記であり、修行録であり、舞台裏についてのお話しです。 さらに著者の過去の知見も加えた自伝記のような構成となっております。

鈴木 陽介  (著) 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事