【深セン地下鉄16号線】12月28日開通、客家文化を取り入れた駅デザインに

2022-12-29 2022-12-29 6分14秒

深セン市内の坪山区と竜崗区を結ぶ、地下鉄16号線が12月28日に開通しました。

駅数は24駅あり、全長29.2 kmのこの路線は全線自動運転車両となり、駅構内は沿線の客家文化の要素を取り入れたデザインが散りばめられています。当路線により竜崗区と坪山区内の交通がスムーズになり、福田区など中心部への通勤都市としても発展しそうです。

1 地下鉄16号線で竜崗区と坪山区の交通アクセスがより便利に
2 16号線の特徴

地下鉄16号線で竜崗区と坪山区の交通アクセスがより便利に

12月28日に開通した地下鉄16号線は、大运駅から田心駅までを結ぶ全長29.2 kmの路線となります。駅数は24駅、うち10駅が乗り換え駅で、設計最高速度は80km/h、全線自動運転車両です。

地下鉄16号線の完成により、竜崗区と坪山区内の交通がスムーズになり、地域の交通の相互接続が強化されます。特に坪山区においてはわずか２カ月前は地下鉄にすら繋がっていませんでしたから、（10月28日に開通した地下鉄14号線とともに）市民の移動が大幅に便利になりました。

これは国務院の発表した《交通强国建设纲要》に沿うもので、その中には2035年までに「全国123出行交通圈」（大都市圏への1時間通勤、都市集積地への2時間アクセス、全国主要都市へは3時間でカバー）を形成すると提言されています。

深セン市は最初の試験都市の一つとして、「交通強国」を実現すべく急ピッチで地下鉄などの建設に全力を注いでいます。今回の16号線開通により、深圳東部地域の経済発展がさらに活性化すると考えられています。

16号線の特徴

16号線の車両は、最近の地下鉄路線に共通してみられるように最高レベル（GoA4クラス）の完全自動運転技術を採用しています。それだけでなく故障からの自動回復や、知能運転制御システム技術も導入しているとのこと。

16号線の地域は、その約半分が「カルスト/Karst」と呼ばれる岩溶地区で複雑な地形・地質となっており、生態環境が脆弱で、交通などのインフラも弱いという特徴があるようです。中国西南部のカルスト地形では、「生態のガン」と呼ばれる石砂漠化の状況が深刻のようですが、このような難しい地形での開発を行うためにリスク管理の徹底した掘削作業を実施したそうです。

駅と街の一体化を実現

16号線には「站城一体化」という開発コンセプトのもと、駅と街を一体化させる工夫が施されています。例えば愉园駅のC入口は商業施設の通路に接続するために確保されており、商業施設に直接アクセスできるようになっています。坪山围駅は周辺の都市再生プロジェクトと接続され、将来的には駅が地区の中心となるのだそう。