香港国際空港・市内から深センに移動する手段は、イミグレーション(イミグレ)の場所とイミグレへ向かう鉄道やバス、タクシーなどの交通機関の種類を掛け合わせると無数にありますが、夜の遅い時間になると使える手段はかなり限られてきます。
特に夜の0時を過ぎると深センと香港をつなぐイミグレは24時間運営している「皇岗口岸(ファンガン)」のみになり、移動手段も限られていきます。
この記事では、こうした深夜の時間帯に香港市内や香港空港から深センに向かう方法をご紹介します。
目次
24時間やっているイミグレは「皇岗口岸(ファンガン)」のみ
まず基礎情報として、香港と深センを通過する際に通るイミグレは2019年1月現在8ヶ所ありますが、そのうち24時間通過できるのは「皇岗口岸」と呼ばれる1ヶ所しかありません。
そのため、もし夜の遅い時間に香港から深センに向かう時には、この皇岗口岸を目指すことになります。
- 罗湖口岸
- 深圳湾口岸
- 沙头角口岸
このうち日本人で深センへ行かれる方で多いのは、上の2つ「罗湖(ルオフー、ローウー)口岸」と「深圳湾(深セン湾)口岸」です。
まず罗湖口岸について。罗湖口岸は、香港地下鉄MTRの東鐵線(East Line)で深センの罗湖区へ向かうことができるイミグレのポイントです。
東鐵線の始発駅である紅磡(ホンハム)駅から、罗湖方面の最終電車は23:07です。これに乗り込めば罗湖口岸から深センへ向かうことができます。ただ紅磡駅は香港の中心街から離れており若干使いにくいので、途中駅の九龍糖駅で東鐵線に乗り換えて向かう場合が多いと思います。その場合、九龍糖駅の罗湖方面の最終電車は23:13です。
続いて、深圳湾口岸について。こちらは地下鉄の駅はなく(※2019年1月時点。現在新駅建設中)、バスやタクシーで深センの南山区へ向かうことのできるイミグレです。香港の屯門という場所から向かうことが多いですが、屯門から深圳湾口岸に向かうバスの最終は23:05。香港空港や香港島の上環、九龍の尖沙咀から直通で深圳湾口岸に向かう「環島大陸通」というバスもあります。こちらはバス停にもよりますが、21時~22時ぐらいが最終バスです。
香港から皇岗口岸に向かう24時間運行バス
24時間運営している皇岗に向かうバスはいくつかあるのですが、今回は外国人観光客がよく訪れる香港の中心地から出発するバス停をご紹介します。
湾仔(Wan Chai):灣仔跨境全日通
「灣仔跨境全日通」は、香港島から皇岗口岸に向かう唯一の24時間越境バスです。コンベンションセンターがある湾仔(ワンチャイ)にあります。
MTRの湾仔駅から北のビクトリアハーバー側に向かったところにあります。ちょっとわかりにくいエリアにあるのですが「海港商場」というビルのエスカレーターで1階に降りるとすぐ着けるので、「海港商場」に向かうのが一番わかりやすいと思います。
「海港商場」周辺には、他にもビルがあり立ち並んでいるのですが、それぞれのビルが通路でつながっているので、地上から向かうのではなくビルの2階から「海港商場」に向かうのがおすすめ。地上から歩いて向かうと交差点が周りになかったりで、遠回りをしてしまうので。
バスの価格は、昼間だと現金52HKD(約730円)、オクトパスカードで50HKD(約700円)ですが、深夜だと57HKD(約790円)です。深夜価格は23:31~6:00の間でチケットを購入した場合に適用されます。
名称:灣仔跨境全日通
住所:27 Harbour Rd, Wan Chai
運行時間:24時間(6:01~23:30は通常料金、23:31~6:00は深夜料金が適用)
運行ペース:深夜は10~30分に一本
乗車時間:40分ほど
チケット価格:
(6:01~23:30)現金52HKD、オクトパスカード50HKD
(23:31~6:00)57HKD
参考URL(中国語): http://www.acebus.com.hk/line/line.html
(↓GoogleMap)
佐敦(Jordan):油尖24小時跨境快線
九龍半島の南端、尖沙咀にある九龍公園から出発する「油尖24小時跨境快線」というバスをご紹介します。
九龍公園は尖沙咀にあるのですが、バス乗り場は公園の北側にあり、最寄り駅はどちらかというと尖沙咀の次の駅、佐敦(ジョーダン)が近いです。
佐敦駅からネイザンロードを少し南に進むと、オースティンロードと交わる交差点があります。そこを右に曲がり西側に進んでいきます。すると「BP International」というホテルが見えてくるので、そのホテルを左に曲がります。曲がるところには「過境巴士總站」という看板があるので、それを目印にしてください。
曲がるとこんな感じの通りになっています。この通りの左側にバス乗り場があります。
バスの価格は、昼間だと現金40HKD、オクトパスカードで37HKDですが。深夜だと現金45HKD(約630円)、オクトパスカードで42HKD(約580円)です。深夜価格は23:20~5:59の間でチケットを購入した場合に適用されます。
名称:油尖24小時跨境快線
住所:10 Scout Path, Tsim Sha Tsui
運行時間:24時間(6:00~23:19は通常料金、23:20~5:59は深夜料金が適用)
運行ペース:深夜の時間帯は30分~60分に一本
乗車時間:30分ほど
参考URL(中国語):https://www.eebus.com/cmspage/cmspage.aspx?contentid=1768860001
(↓GoogleMap)
旺角(Mong Kok)・太子(Prince Edward):旺角跨境全日通
尖沙咀よりも、もうちょっと北に進んだところにあり若者が集う繁華街の旺角や太子エリアから出発する「灣仔跨境全日通」をご紹介します。
場所は地下鉄の旺角駅と太子駅の間ぐらいの場所にありますが、旺角駅から向かうと途中歩道橋を渡らないと進めない箇所があるため、太子駅から向かったほうが比較的楽にいけます。
目印となるホテルは、メトロパークホテル(旺角維景酒店)です。この周辺に今回ご紹介する皇岗行きのバスだけでなく、中国の他の地域へ行ってくれるバスが並んでいます。両替商が多いのも特徴的な場所です。
チケット売り場の外観はこんな感じです。
価格は、昼間は41HKDですが、深夜はオクトパスカードだと42HKD(約580円)、現金だと45HKD(約630円)です。
名称:旺角跨境全日通
住所:364 Portland St, Prince Edward
運行時間:24時間(5:31~23:20は通常料金、23:21~5:30は深夜料金が適用)
運行ペース:深夜は10~30分に一本
乗車時間:30分ほど
参考URL(中国語):http://www.acebus.com.hk/line/wangjiao.html
(↓GoogleMap)
夜遅くに香港空港に到着して、深センに向かう場合は?
夜遅くに香港空港に着いて皇岗口岸に向かいたい場合、以下の三種類があります。
- 香港のタクシーで直接皇岗口岸に向かう
- 旅行会社が手配する相乗りのリムジン(Skylimo)を使う
- まずバスで香港市内へ向かい、そこから24時間バスに乗り換えて皇岗口岸に向かう
それぞれの方法についてご紹介します。
タクシーで向かう場合
香港の新界を走る緑色のタクシーで向かうと40分ほどで皇岗のイミグレに到着します。価格はおおよそ340HKDと日本円で5,000円に近い料金です。
タクシー乗り場へ行って、タクシーを捕まえればすぐに深センへ向かうことができるので、3つの方法の中でも一番高いものの比較的最速でいける方法。複数人で深センへ向かうならこちらがおすすめ。
Skylimo(スカイリモ)で向かう場合
「Skylimo」は、各旅行会社が運営している香港空港と深センのイミグレを結ぶ相乗りリムジンのことです。リムジンといっても7人乗りのアルファードかベンツのワゴン。価格は100HKD(約1,400円ほど)※2019年7月に永東旅行社のスカイリモ使用時は150HKD請求されました(全ての業者が150HKDかは未確認です)
定員の7人が揃った時点で出発するのですが、だいたい15-20分ぐらいで出発しています。皇岗まではタクシーと同じく40分ほどで到着します。これは有料になりますが、イミグレまでだけでなく、深セン市内のホテルまで指定してイミグレ通過後もそのままリムジンに乗って宿泊場所へ向かうこともできます。
Skylimoの受付カウンターは第二ターミナルの1階にあります。
(2019.12.05 追記: 第二ターミナル改修により、スカイリモのカウンターと乗車位置が変更になりました。改修後に元に戻る可能性もあるので以前の情報も残しておきますが、2019〜2020年の間は第一ターミナルにあるカウンターをお使いください。詳細は以下リンクに記載しています)
香港空港は全便第一ターミナルに到着するので、まず第一ターミナルの到着ロビーから、地下道をくぐって第二ターミナルへ向かいます。
(↓Googleストリートビュー)
第一ターミナルを出るとすぐにエアポートエクスプレスの乗り場が見えてきますが、そのとなりに「Transport to Mainland」という看板があるので、エスカレーターで下に降りてくぐるようにして第二ターミナルへと向かいます。
(↓Googleストリートビュー)
第二ターミナルの1階には、こんな感じ。香港空港から中国大陸へ向かう旅行会社のカウンターが並んでいます。スカイリモを運営する会社は複数ありますが、どれも値段やサービスには変わりはないので空いているところを選ぶと良いでしょう。
(↓Googleストリートビュー)
※営業時間について、以下の公式サイトには24時間営業とのことですが、実際のところは夜12時を越えると営業が終了する場合が多いようです。
市内バスと越境バスを使って深センへ向かう
最後に、これは時間がかかりますが、一度バスで香港の市内に入りそこから皇岗へ24時間バスで向かう方法です。
時間が2時間ぐらいかかる一方で、他の手段よりも安く抑えられるのがメリットです。
Citybusの「NA21」という深夜バスに乗ると、旺角方面へ向かうことができます。途中で「西洋菜南街」というバス停が一番「旺角跨境全日通」のバス乗り場に近いです。運行時間は00:50, 01:25, 02:15の3本なので注意。
37.50HKDと24時間バスの45HKDを合わせて、83.5HKD(約1,150円)で深センに向かうことができます(オクトパスカード使うと割引が効くので実際はもっとお得になります)
↓増山智明さんのブログには、「NA21」だけでなく 0:45 に一本だけ出ている「NA31」深夜バスを利用する方法も紹介されています(非常に分かりやすいです)
夜の香港空港着の便は、少しの遅れで香港市内へのMTRやバスが終わってしまったり、予定が狂ってしまいますね。
でも上記のルートであれば、比較的安くその日中に(香港に泊まることなく)深センに向かうことができます。
ぜひお役立てください!