
2023年の深圳は、フードデリバリー大手「美団」によるドローン配送が大きな話題となりました。
現在は、深圳市内の世界の窓などのテーマパークや深圳人才公园、そして清華大学キャンパス等にも配送範囲を広げているこのサービス、美団アプリから簡単にドローン配送を体験することができます。皆さんも試してみてはいかがでしょうか?
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美団ドローン配送
美団ドローン配送は順次受け取り地点を拡充中。2023年12月現在、百度地図にて「美团 无人机空投柜」と検索すると、世界之窗、欢乐谷、锦绣中华、深圳人才公园、清华大学深圳国际研究生院といった10箇所以上のスポットが表示されます。



深圳人才公园
9月4日、深圳市南山区における美団ドローンの定期航路として深圳人才公园が正式スタートしました。南山区海岸城周辺のビジネス街に隣接する深圳人才公园では、11:00から17:40までドローン配送を受け付けています。

これまでも、美団のデリバリーは深圳人才公园を配送先として指定することもできましたが、広い公園の中で配達先の住所がわかりにくいという問題がありました。美団のドローン事業戦略担当者によると、ドローン配送を利用後、利用者は公園内の指定された配送ロッカーまで歩いて行くだけで受け取ることができるため、配送時間も従来に比べて50%近く短縮できるとのことです。

清华大学深圳国际研究生院キャンパス
2021年に「数字生活联合研究院」(デジタル生活共同研究院)を清華大学と共同設立し、以来大学の研究力を活用してドローンやロボット工学などの共同研究を行ってきた美団は、12月19日に清华大学深圳国际研究生院キャンパス内にて初の大学ドローン配送ルートを開通させました。当ルートのドローン離陸地点は、キャンパスから2.6キロ離れた西丽益田假日里商圈で、学生はドローン配達を利用できる加盟店から持ち帰りを予約する際、キャンパス内の指定された着陸地点に食事を配達してもらうよう選択できます。

美団ドローンによる医療搬送ルートも開通
10月20日には、美団ドローンと龙华区人民医院によるドローン配送などのサービスを開始すると発表。ドローンの医療活用といえばコロナ禍でPCR検査検体を配送するのに活用されましたが、パッケージ化された検査検体を龙华区人民医院にドローン配送することで、わずか数分で一括検査することができるようになるとのこと。車両輸送では30分以上かかっていた配送時間が、ドローンを活用することで10分に短縮され、配送効率が200%以上向上し、渋滞などの問題も回避できることから将来的にはより多くの地域でこの方法が適用される予定です。

現在、検体配送に使用されているドローンは美団の第3世代ドローンで、耐荷重は2.3kg。ミリ波レーダー、ビジョンセンサーなどを搭載し、全天候型、24時間障害物回避能力を確保しているのだそう。また、異常事態が発生した場合、ドローンはマシンビジョン認識、環境の3次元マッピング、自律的な動的経路計画などの機能により、着陸準備のために無人エリアを素早く選択することができ、加えて主電源喪失などの極端な事態が発生した場合、ドローンは自らパラシュートを開くことができるとのこと。1回の配送で保健センターの1日の検体配送ニーズに対応できます。

美団は第四世代ドローンを公開
2023年7月5日、美団は第四世代となる新型ドローンを公開。最大積載重量は2.5kgとなり、最大離陸重量は9.5kg、満載時の最大配送距離は10kmです。加えて環境適応性がアップグレードされており、摂氏-20度から50度まで動作可能に。雨、雪、風速6m、夜間なども安定した飛行ができ、実に国内都市の97%以上の自然環境に適応できるのだそう。騒音も50%低減し、スマートパラシュートも備わっています。

美団アプリでドローン配送を体験

美団のドローン配送を体験したい方は、美団アプリを使えば簡単。アプリから商品を注文して、配達先を最寄りのドローン配送先地点に指定するだけです。例えば前述の人才公园であれば、以下の画面のように「美团人才公园无人机空投柜」と指定することで配送されます。

ドローン配送費用は店によって異なる可能性があります。例えばスターバックスからの注文であれば「30元」と表示されていました。

宅配ロッカー大手「丰巢科技」はドローン配送キャビネットを設置
2023年11月には、宅配ロッカー大手「丰巢」(HIVE BOX)が宝安区にてドローン配送キャビネットを試験設置すると報じられました。
配送用ドローン「丰巢无人机」は、設置されたドローン集配キャビネットとドッキングしてシームレスに商品の受け渡しを行います。これにより24時間配送可能となり、提携する顺丰快递(SF EXPRESS)の店舗から効率的な輸送が可能になります。当サービスも美団同様、今後深圳各地に拡充していく予定です。

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