深セン5G基地局は45,000に到達し全域カバー完了:各分野で5Gアプリケーション開発加速中

スマートシティ構築に不可欠な5G。

深セン市産業情報局は2020年8月末までに5G基地局を45,000箇所にするという目標を掲げていましたが、それより1ヶ月早く目標を達成し、これにより深圳市は全域が5Gでカバーされる中国初の都市になりました。

今後は5Gスマート医療・教育など各分野において業界アプリケーションの開発が加速中です。

1ヶ月前倒しで5G基地局設置目標を達成

8月17日に、深セン市産業情報局が主催した記者会見が福田シャングリ・ラ ホテルにて行われ、深センにおける5G計画について最新の進捗状況と将来の計画等が発表されました。

Photo via ShenzhenDaily

2020年4月の時点で、深センは8月末までに5G基地局を合計45,000台構築するという目標を立てていましたが、7月26日までに45,000基地局に到達し、1カ月前倒しで目標達成しました。その後も設置を続け8月14日までに合計46,480台の基地局を設置、5G基地局の密度の面でも中国第1位となりました。

目標達成は簡単ではなかった

2020年8月末までに深セン全域を5Gでカバーするというこの目標は簡単ではなかったようです。

これまでに深圳移動は合計15,000個の5G基地局を建設しましたが、新型コロナウイルスと戦っていた時点では建設要員が不十分な状況に陥り、ほとんどのコミュニティが閉鎖していました。そのため深圳移動は建設計画を整理し、ドローンを活用して空中写真を撮影し全体的な建設環境と伝送経路を習得して5G基地局の建設を進めていったとのこと。

中国の5Gユーザー総数は8,800万人超

2020年7月末までに、中国の5Gユーザーの総数は8,800万人を超え、世界の5Gユーザーベースの80%以上を占め、第1位にランクされています。中国は2020年末までに全国で50万の新しい基地局を設立する計画です。

中国移動は政府との連携を深め、4月から6月にかけて約3万枚の消費券を発行して消費を促進したそうですが、今年4月以降一部の5G端末の価格は2,000元に下がり、ますます普及が見込まれます。

スマートシティ構築に向け各分野で開発進行中

中国で5G時代に入った最初の都市深セン、次世代のワイヤレスネットワークが本格的に提供されます。

深セン市は5G開発促進のため、2019年9月にChina Telecom、China Mobile、China Unicom、China Tower Corpと提携を行いました。また、ヘルスケア、教育、交通、警察、都市行政を含む10の分野と、産業インターネット、家庭、工業などの10産業をセレクトして、5Gテクノロジーの使用シナリオを開発。中でも「Huawei 5G Intelligent Park」「Tencent Cloud Gaming」「Mawan Smart Port of China Merchants Bureau」からは良いシナリオが出たのだそう。

今後の5G基地局計画

5Gはスマートシティ構築のすべての側面に直接影響を与えます。

Photo via ShenzhenDaily

深圳移動通信(Shenzhen Mobile)の総経理である周忠坤(Zhou Zhongkun)氏は、5Gを社会情報の大動脈、デジタル社会構築の新しい礎石と表現し、5G基地局建設・顧客開発における最新の進捗状況と将来の計画を明らかにしました。

“一轴两带”:技術・教育・金融・製造

基地局の計画は「1つの軸と2つのベルト」(“一轴两带”)に基づいて行われます。
深南大道を軸に、西を「テクノロジー+教育ベルト」(“科技+教育带”)、東を「ファイナンス+産業ベルト」(“金融+产业带”)とし、技術、教育、金融、製造に重点を置いています。

“一轴两带” (青のラインが深南大道)

建物の密度が高い深センにおいて、深圳移動は15,000の5G基地局の中でネットワーク品質を確保するために、7,430は屋外を広くカバーするマクロ基地局、6,825は屋内局として屋内をカバー、745はマイクロ局に割り当てました。

現在深センでは、市民中心、华强北商圈、南山科技园、西丽大学城、坂田科技园、深圳宝安国际机场や主要モールで5Gがカバーされています。

まず深セン市民が5Gを使用できるように

5Gは高速・低遅延を特徴とし、ゲーム、VR、ライブブロードキャストなどの体験が向上すると考えられていますが、深センが5Gベンチマーク都市を構築するためには、まず深センの人々が5Gを使用する必要があります。

データによると、2020年7月末の時点で深圳移動の5G端末顧客は114万人に達し、省内陸部の都市で1位にランクされています。5G顧客の平均トラフィック使用量は19GBに達しており、ネットワーク全体のトラフィック使用量をはるかに超えているようです。

他都市よりも端末交換サイクルが早く、来年にも5G端末交換の波が来る

周忠坤氏は「深センのユーザーは新しい技術と新製品を受け入れる能力が非常に高い」と語っています。

Photo via ShenzhenDaily

深センの平均端末交換サイクルは約18ヶ月のようで、これは全国平均よりも4か月早く、来年あたりに5G端末交換の波が来ると予測されています。

業界アプリケーションの開発が加速中

次の段階は、5G業界アプリケーションの開発が焦点になります。

現在、深圳移動 5Gアプリケーションは、党および政府の法執行機関、金融、インターネット、教育、医療、輸送、産業エネルギー、文化およびエンターテインメント観光など数千の産業をカバーしているとのこと。

5G スマート医療

深セン企業が武漢雷神山病院の5G基地局建設を支援

新型コロナウイルスとの戦いの初期段階では、深センの企業が武漢の雷神山病院の5G基地局の建設を支援し、5G+赤外線温度測定、5G+ドローン消毒、5Gオンライン会議などの新用途が採用されました。 COVID-19の予防と制御において、5Gはオンライン医療、医療ロボット工学、イメージング、スクリーニングの分野で広く活用されました。

深圳市第三人民医院では「5G +無人消毒車」運行

2020年初頭の新型コロナウイルスとの戦いが真っ最中の時、深圳移動は5Gテクノロジーを使用しました。深圳市第三人民医院で"5G+无人防疫消毒车”(5G +無人消毒車)プロジェクトを開始し、病院の感染防止対策の効率が大幅に向上しました。また深センモバイルおよび南方医科大学深圳医院と首都医科大学附属北京天坛医院は、同国初の神経介入5G遠隔手術を無事に完了したとのこと。

5G スマート教育:XR仮想スマートキャンパス/5G投影授業など

中国移動は5Gスマートキャンパスを建設計画中。深圳职业技术学院では5G XR仮想スマートキャンパスを、香山里小学校では5Gリモート教室、深圳龙岗科技城外国语学校では5G投影授業の計画が進んでいるそう。なかなか理解が追いつきませんが、映画のような世界が現実になりつつあります。

5Gスマート警備

5Gによってもたらされる変化は都市のガバナンス(統治)から始まります。昨年以来、深圳移動と深圳市公安局南山分局は“5G智慧警务”(5Gスマート警備)として、5Gネットワ​​ークドローンを開発しています。

Photo via China Daily

5Gスマート港

深圳移動は粤港澳大湾区に最初の5Gスマート港を構築。2020年8月に5Gプライベートネットワークベースの無人トラック、スマートセキュリティ、およびその他のアプリケーション開始を予定しています。

Photo via i深圳

「4Gは人生を変え、5Gは社会を変える」

今後数年間で、ビッグデータ分析、クラウドコンピューティング、5G統合人工知能などの情報技術が、スマートシティの構築をさらに加速させていきます。

Photo via i深圳

「4Gは人生を変え、5Gは社会を変える」と言われています。デジタル経済発展のための戦略的土台となる5G。経済特別区が設立されて2020年で40周年となるタイミングで5Gの先頭に躍り出た深センの本領発揮です!

参考リンク:


Source:

来源:深圳发布、读特客户端 i深圳: 8月底深圳5G基站将达4.5万个!5G之城建设跑出深圳速度

ShenzhenDaily:SZ China’s first city to realize full 5G coverage 深圳实现5G独立组网全覆盖

China Daily: Shenzhen leads peers in 5G stand-alone deployment

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事