深セン製新型コロナワクチンの有効度や他の中国製ワクチンとの違いは?

6月1日より、中国の新型コロナワクチンの新たな仲間として加わった深セン製(Biokangtai)ワクチン。

初の広東省内製造ワクチンとしても注目を集めている当ワクチンですが、他メーカーと比較してどのような特徴があるのでしょうか?効果や安全性にはどのような違いがあるのでしょうか?

初日は50万本以上が配布

深圳康泰生物制品股份有限公司(Shenzhen Kangtai Biological Prods Co Ltd)が独自開発・製造した新型コロナワクチン(以下、Biokangtaiワクチンと表記)は6月1日より一般接種開始。初日は50万本以上のワクチンが320の接種会場に配布され、接種が行われました。

深セン製ワクチンは変異株にも有効

現在、中国で開発されているワクチンには5つの技術ルートがあります。

  1. 灭活疫苗(不活化ワクチン)【2回接種】
  2. 腺病毒载体疫苗(アデノウイルス・ベクター・ワクチン)【1回接種】
  3. 减毒流感病毒载体疫苗(弱毒性インフルエンザウイルスベクターワクチン)
  4. 重组蛋白疫苗(組換えタンパク質ワクチン)【3回接種】
  5. 核酸疫苗(核酸ワクチン(RNAワクチン、DNAワクチンを含む))

Biokangtaiワクチンは康泰生物が開発した(中国のほとんどの地域で接種可能なシノファーム・シノバック社製と同様の)不活化ワクチン。生きたウイルスを不活化して抗原として体内に接種するおなじみの伝統的なワクチンで、ワクチンの組成が自然のウイルスの構造に最も近いとされています。

Image via 深圳卫视深视新闻

当ワクチンは18歳以上を対象としており、2回の接種を行います。2回の接種の推奨間隔は28日以上で、2回目の接種は8週間以内のできるだけ早い時期に完了させます。

予備実験では変異株に対する免疫を示したそうで、臨床試験でも重篤な副反応は発生しておらず、ウイルス中和抗体の幾何平均力価(GMT)の中央値が131.7、グレード3以上の有害事象がなかったことが確認されているとのこと。(具体的にどの変異株に対してどれほど有効だったのか現段階では不明です)

Image via 深圳大件事

別メーカーのワクチンを打っても大丈夫?

《新冠病毒疫苗接种技术指南(第一版)》(新型コロナウイルスに対するワクチン接種の技術指針(第1版))によると、現段階では同会社で同種類の新型コロナワクチンで1回目、2回目の接種を完了することが推奨されています。

Image via 深圳卫视深视新闻

ただ、ワクチンが入手できなかったり、別の場所で接種するなどの特別な事情がある場合は、1回目と2回目を他社製の不活化ワクチンで接種することができるそうです。

現在の中国製ワクチンの種類は…

現在の中国製ワクチンはいくつかの製薬会社が関わっており、まとめると以下のように分類されます。

  • 科興控股生物技術(Sinovac/シノバック)
  • 北京科興中維生物技術(シノバック系列)
  • 中国医薬集団(Sinopharm/シノファーム)
  • 北京生物製品研究所(シノファーム系列)
  • 長春生物製品研究所(北京生物製品研究所から委託)
  • 蘭州生物製品研究所(北京生物製品研究所から委託)
  • 成都生物製品研究所(北京生物製品研究所から委託)
  • 武漢生物製品研究所(シノファーム系列:中国科学院武漢ウイルス研究所と共同開発)
  • 深圳康泰生物制品股份有限公司(Biokangtai)
  • 中国人民解放軍軍事医学研究院(康希諾生物と共同開発)

「北京生物製品研究所」製造ワクチン

シノファーム系列の北京生物製品研究所が製造したワクチンは、上記の赤字のグループにカテゴリ分けされます。長春生物製品研究所、蘭州生物製品研究所、成都生物製品研究所に委託をして最終包装されています。本質的には同じですが、ワクチン接種時の伝票表記が異なる場合があるとのこと。

Image via 国药集团

これらのワクチンは3~8週間の間隔をあけて2回接種し、2回目の接種は8週間以内にできるだけ早く終了することになっています。

「武漢生物製品研究所」製造ワクチン

武漢生物製品研究所製造の新型コロナワクチンは、中国科学院武漢ウイルス研究所と共同開発したもので、2021年2月25日に国家薬品監督管理局の条件付きリストに正式に承認されました。

Image via 中国生物

当ワクチンの中和抗体陽転率は99.06%。防御率は100%に達し、総防御効果は72.51%とのこと。現在、年間1億回もの大規模なワクチン生産が開始されています。

「軍事医学研究院」製造ワクチン

中国人民解放軍軍事医学研究院製造ワクチンは、康希諾生物と協力して開発したアデノウイルスベクター5型(Ad5-nCoV)で、1回の接種でOKになるとのこと。

当ワクチン接種後、総合的な予防効果は68.83%、重症化に対する予防効果は95.47%なのだそう。現在は天津の工場で製造された後、広東省を含む一部の地域に配布されています。

Image via 南方日报

ファイザーやモデルナ、アストラゼネカなどのワクチンは日本でもよく報道されているため有名ですが、中国製ワクチンとなるととたんに情報が少なくなりますね。今後も続々と各製薬会社による新たなワクチンの承認が降りてくると思われますので、最新情報に留意なさってください。


Source:

新浪福建:速看!厦门新冠疫苗接种又有新消息!

捜狐:我要打“北京生物”新冠疫苗,为啥换了成都生物、兰州生物? 

湖北省人民政府:“武汉产”新冠灭活疫苗正式上市

中国生物:双响!武汉生物制品研究所新冠灭活疫苗上市!

南方日报:只打一针的新冠疫苗来广东了!接种14天后产生保护

国药集团:权威发布!《柳叶刀》发表国药集团中国生物北京生物制品研究所新冠灭活疫苗Ⅰ/Ⅱ期临床试验结果

深圳大件事:今起正式供应!深圳产新冠疫苗来了,首批50万余支

深圳新闻网:深圳产新冠疫苗第一针开打,你关心的问题都在这!

深圳卫视深视新闻:“深圳苗”安全性如何?经检验合格可靠,对变异株也有效!

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事