先日、深セン市竜崗区にて5台の水素燃料電池バスが正式運行を開始しました。2022年北京冬季五輪にも使用されるこの水素バスは現在無料で乗車できます。
竜崗区はあまり知られていませんが、中国初の低炭素パイロット都市が建設されており、12月には深セン国際低炭素都市フォーラムも開催されるカーボンニュートラル先進地区です。
水素燃料電池バスの仕組み
「中国といえばEV先進国」というイメージが強いですが、同時に水素燃料電池も開発が進められています。
当水素バスは、全長11メートルで46人乗り。両サイドにグリーンのカラーリングを施しています。車内は明るく広々としており、座席は本革シート。乗り心地も静かでスムーズなのだそう。
深センでよく見る純電気バスとは異なり、水素バスは燃料となる水素貯蔵ボンベを搭載しています。走行中に排出されるのは水だけで、排気ガスの匂いもありません。
水素自動車は、水素と酸素の化学反応で電気を発生させ、その電気でモーターを駆動して走行する仕組みです。動作がスムーズで、振動や騒音がないため、大気汚染の軽減、都市環境の改善、エネルギー消費の削減に大きな寄与します。
20分の水素充填で650km走行可能
気になる航続距離や水素ステーションでの充填に要する時間ですが、20分の充填で航続距離は650kmとのこと。
この水素バスは深センでの運用開始前にASEAN万博などでも運行実績があり、2022年の北京冬季オリンピックでも使用予定であると報じられています。 現在は竜崗区に臨時の水素充填所も建設されています。
運行地点
この水素バスは、竜崗区の「坪地同兴厂」から地下鉄「双龙」駅までを運行します。
経由地は以下の通り。
坪地同兴厂
盛景路口
盛佳路口
冠旭电子
吉祥教育路口
坪地中学东
坪西路口
龙岗中心医院
双龙(地下鉄3号線)
竜崗区は中国初の低炭素パイロット都市
竜崗には、「深圳国际低碳城」(LOW CARBON CITY/深圳国際低炭素都市)が存在します。これは中国初の低炭素パイロット都市とされ、面積は約180万平方メートル。持続可能な都市化に関する中欧協力のフラッグシッププロジェクトです。
水素燃料電池バスは、ここで今年12月に開催される「第9回深圳国際低炭素都市フォーラム」の参加者にも提供されます。龍崗区は当バス路線の運行により、カーボンニュートラルの先駆的な実証地域となることが期待されています。
Source:
ShenzhenDaily:Hydrogen-powered buses hit the road in Longgang 深圳市首条氢能公交示范线开通