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香港行政府の提唱する、香港から中国本土への入境前に香港側で隔離を行う「逆隔離」がいよいよ実現しそうです。
現在は本土側の隔離施設キャパオーバーのために、香港から中国本土への入境が依然として困難を極めていますが、これにより入境できる1日あたりの許容量を大幅に増やすことが可能になります。
香港行政府の「逆隔離」構想
9月上旬、香港行政府は一つの案を中国本土側に提案しました。
それは、香港から中国本土への入境時に(本来は本土側で行う)隔離を香港内で行うという「逆隔離」案。この提案に中国本土側は賛成し、実現に向けてのプロジェクトが進行しています。
香港から深センに移動する場合、深センの「健康ポストルームオンライン予約システム」(“健康驿站房间线上预约系统”)に予約を入れなければなりませんが、この予約枠は1日2,000席ほど。この枠に16,000人が毎日予約しようと殺到しているのが現状です。
落馬洲の隔離病院で試験運用
香港行政府は、まず深センと香港の境界付近に位置する落馬洲の隔離施設「落马洲河套区方舱医院」で試験運用を行うよう準備を進めており、10月31日にはその管理を保安局に引き継ぐ予定とのこと。
この隔離治療施設は、今年初めに中央政府が支援した9つのプロジェクトの一つで、敷地面積約50万平方メートル、総建築面積約28万3,100平方メートルと規模も最大で、「中央援港应急医院」「中央援港落马洲方舱设施」「生活配套设施」という3つの施設で構成されています。
その中の隔離施設部分となる「落马洲方舱设施」は11万2,100平方メートルもの規模となりますが、現在は香港での流行の鈍化に伴い、使用されていないのだそう。
現在は本土側の要求を満たすべく準備中
中国本土側の要求を満たすためにはいくつかの基準をクリアする必要があり、合意しなければならない問題も多いようです。双方とも積極的に議論してはいるものの、特に大陸側に新たな疫病のリスクを生じさせないよう、「本土に伝染病を<逆流>させてはならない」との意識があります。香港行政長官の李家超(John Lee)氏もこの件について「中国本土の基準を満たすために努力する」と述べています。
現在、当施設はスタッフを募集中のようです。仲介業者の話によると、衛生防疫員は月給14,000元以上、保安員は月給17,000元以上で募集されることが多いとのこと。加えて3ヶ月間の閉鎖労働を受け入れるスタッフは現在の倍以上の月給となるのだそう。
この「逆隔離」が実現すれば、日本から香港に到着後、深センに入境する方も増えそうですね。香港エクスプレスは日本の各都市からの発着便を復活させましたし、大湾区航空も2023年1月に東京便を就航させるなど選択肢が広がりチケットも安くなることが期待されます。年内には実現してほしい政策の一つです。
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