2018年に公開された、深セン大芬村を舞台にしたドキュメンタリー映画「世界で一番ゴッホを描いた男」の主人公、 趙小勇(チャオ・シャオヨン)さんの画廊を訪れてインタビューを行ないました!とても気さくな方で、映画公開後に変わったことや今後について、映画の中では語られなかった貴重な話をたくさん教えてくださいました。
映画「世界で一番ゴッホを描いた男」とは?
「世界で一番ゴッホを描いた男」(原題:China’s Van Goghs)は、2018年に公開された 深セン大芬村のゴッホ複製画家 趙小勇さんのドキュメンタリー(中国・オランダ)映画です。この映画は大芬村だけでなく、「世界之窗」など深センのスポットや日常風景なども描かれています。日本ではほとんどの映画館で2018年中に公開が終了したようですが、当映画はNHKでも『中国のゴッホ 本物への旅』という短縮版が放映され、とても高い評価を受けています。
公式サイトはこちらから↓
複製画制作で世界の半分以上のシェアを誇る油絵の街、中国大芬(ダーフェン)。出稼ぎでこの街にやって来た趙小勇(チャオ・シャオヨン)は独学で油絵を学び、20年もの間ゴッホの複製画を描き続けている。絵を描くのも食事も寝るのも全て工房の中。いつしか趙小勇はゴッホ美術館へ行くという夢ができた。本物の絵画からゴッホの心に触れて何か気づきを得たい、今後の人生の目標を明確にしたいという思いと共に。
どうしても本物のゴッホの絵画を見たいという想いは日増しに募り、ついに夢を叶えるためにアムステルダムを訪れる。
本物のゴッホの絵画を見て衝撃を受けた趙小勇はいつしか、自分の人生をゴッホの生き様に写し合わせ、何をすべきか自分を見つめ直すようになる。果たして自分は職人か芸術家か。思い悩んだ趙小勇はある決断をする―。
世界最大の「油画村」深セン 大芬村
深セン 大芬(ダーフェン)は世界最大の「油画村」と呼ばれ、1万人以上の画工が働く産業の街です。ここで世界市場の6割の複製画が製作されています。
大芬村は、深セン龙岗区 (罗湖区の北) に位置します。
最寄駅は、地下鉄3号線「大芬」駅(A1出口)です。
絵だけでなく、額縁・スタンド・筆など関連商材も多く売られています。大芬村を訪れる人の中には、絵を買うのではなく自分で絵を描くために必要な道具を買いに来る方も多いようで、一大商圏が形成されていますね。
また、このような絵画体験教室もあります。気になるお値段は…
以下の写真にある、一番手前の大きいサイズは150元、中央のサイズは130元、右の一番小さいサイズだと100元で描くことができるそうです。
描きたいテーマはなんでもよく、簡単なものは40分、普通は1時間で描けるとのこと。絵心のある方はぜひチャレンジを!
大芬村は昔から画廊の町としてたくさんの画工が住み込みで働いていましたが、最近は少し変化が見られています。
深センの経済発展に伴い、大芬村も地価が高くなり住みづらくなりました。しかし外部からの客は大芬村に来て品定めをして買っていくため、多くのスタッフは大芬村の外に住むようになり、そこで絵を描いて、完成した絵を大芬村内で展示して売る、というスタイルになってきているのだそう。大芬村自体はショールームのような形になりつつあるのかな、と感じました。
ゴッホ複製画家 趙小勇さんインタビュー
趙小勇さんの画廊。映画のタイトルを前面に出しているのですぐに分かります。
画廊内部は作品が所狭しと飾られています。
彼はこの映画で中国のTVにも多数出演し一躍有名になりましたが、そんなそぶりは一切なく誰に対しても気さくに丁寧な対応を取られる方でした。そんな趙小勇さんにいくつかの質問をしてみました。
映画を拝見しましたが、趙さんの環境は映画の前と後でかなり変わったと思います。どんな変化がありましたか?
ずっと同じものを忠実に描かないといけない、というプレッシャーに絶えず晒されます。そのためここに来る学生はたいてい続けることができず、2ヶ月くらいで飽きて辞めてしまいます。でも私にはそれしか生きていく手段がなかったので続けました。
複製画とオリジナルの絵は、現在どれくらいの割合で描いていますか?
(映画の中にも出てきた)仕入れ先のオランダ人も、このオリジナルに期待してくれています。
日本に行って、皆さんに会えることを楽しみにしています!
本当に明るい方で、ゴッホに対する熱い想いが感じられました。ありがとうございました!
(展覧会は、東京で行なうことで調整中のようです。2018年12月時点で詳細は未定なのですが、ぜひ東京で実現して欲しいですね)
趙小勇さん画廊 アクセス・ロケーション
中国梵高 China Van Gogh 印象画廊
住所:深圳市大芬油画村老围5号
メールアドレス:xiaoyongfangao@126.com
最寄駅:地下鉄3号線「大芬」駅A1出口
画廊には、ゴッホ以外の複製画やオリジナル作品も多数飾られています。
購入することも可能ですので、大芬村にお立ち寄りの際はぜひ足を運んでみてください!
今回趙小勇さんを紹介してくださり、サポートしてくださったMさんとKさんにも御礼申し上げます。