アリババ出資のAutoXによる完全無人運転タクシー「RoboTaxi」深センに登場!

12月3日、自動運転車のスタートアップAutoXは中国初の完全自動運転車「RoboTaxi」を発表し、深セン市内の公道を走る様子を公開しました。

運転手・担当員も付けず、リモートコントロールもない完全な無人運転とのこと。市内で見かけたら要注目です。

アリババ出資のAutoXーWaymoに続く2番目の自動運転商用運用

AutoXは、プリンストン大学の元助教授であり同社のCEOでもあるXiao Jianxiong氏によって2016年に設立されました。アリババが支援し、香港に拠点を置く同社は、Plug and Play Venturesや Hong Kong Science and Technology Parks Corporation、そして Dongfeng Motor Group(東風汽車グループ)などの投資家から、これまでに1億6,010万ドルを超えるベンチャーキャピタル融資を確保してきました。(現在の本社は深セン)

Image via AutoX无人驾驶

自動運転タクシーの商用運用は、以前に米国アリゾナ州フェニックスでAlphabet傘下の自動運転車開発企業Waymoによって開始されましたが、AutoXはそれに続く2番目の稼働なのだそう。

無人運転システム「AutoXDriver」

「AutoXDriver」と呼ばれる無人運転システムには運転手や安全担当者がおらず、手動でのサポートもリモートコントロールもありません。過去1年間、AutoXは深センと上海で無人運転テストを実施し、現在は25台のRoboTaxiが平均速度40kmでの走行を行っているとのこと。

Image via AutoR智驾

LiDARセンサー、レーダー、“blind spot-sensing suites”といったセンサー技術を搭載したAutoXの第5世代システムは、歩行者、自転車、ペットが近距離で発生する密集した交通シナリオを処理できるのだそう。

公開動画:LiDARセンサーも活用

以下公開動画です。映像を見ると車体にセンサーやカメラがこれでもかというほど付いてますね。これは人間の運転より安全かもしれません。

LiDARセンサーは昨今iPad ProやiPhone 12 Proにも搭載され始めたので一般の認知度も高くなってきましたが、これはざっくり言うとレーザー光を利用して位置の測定を行うもの。暗闇に強いので夜も安心して走行できます。

Image via AutoX无人驾驶

ついに完全無人運転の時代へ?

AutoXは2018年以来、深センの中心部で大規模な道路テストを実施しており、レベル4(高度自動運転)データを大量に取得、そのデータを使用してAutoXDriverの運転学習能力を向上させています。

上海市内では、8月に商用サービスのRoboTaxi100台を嘉定区で正式に開始。乗車はAlibabaのAutoNaviマッピングおよびナビゲーションアプリと、上海を拠点とするタクシーフリートサービス「Leztgo」を通じて予約できるそうです(上海におられる方はぜひお試しを)。

現在、AutoXは深セン、上海、武漢、広州などの主要都市で同時に自律運転免許を取得しており、世界5都市で大規模な試験運用を行っています。

Image via AutoR智驾

懸念点は電波…対応策は?

ご存知のとおり、4G、5G、WiFiなどの通信も、市内で一時的に信号が不安定になる可能性があります。いつでもどこでも信号強度を保証することは不可能です。

Gif via AutoX无人驾驶

都市部で無人車両が受信する信号は道路状況によって遮蔽される可能性もあります。回線が不安定になると、リモートコントロールや5Gクラウド運転は非常に危険な状態なり、乗客や他の人に安全上の脅威をもたらしかねません。

そのため、国際的にはリモートコントロールに基づくクラウドベースの運転は、満場一致で危険な技術と見なされています。(同じ自動運転技術を持つ)WaymoやCruiseなどの企業は、リモートコントロールで車両のステアリングホイールとアクセルブレーキを制御することを許可していません。

Gif via AutoX无人驾驶

AutoXのシステムアーキテクチャも安全性を考慮して、搭載制御モジュールとネットワークモジュールを完全に分離しているため、ハッカーがシステムに侵入しても直接制御できず、事故を未然に防ぐとのこと。

FIATと提携してアジア展開へ

Pony.ai、Baidu、WeRide、Didiなどと国内で競合するAutoXは、FIAT Chryslerと提携して、中国とアジアでRoboTaxiサービスを展開すると発表しました。そして昨年、サーブの親会社であるNEVSとのコラボレーションを発表し、2020年末までにヨーロッパで自律型タクシーパイロットを展開しました。

Image via AutoR智驾

自動運転というと、先日深センではレベル4(高度自動運転)の自動運転バス「熊猫公交」(パンダバス)運行のニュースがあったばかり。今回はその一歩先であるレベル5(完全自動運転)の領域に足を踏み入れたAutoXですが、深センにおける一般乗客のサービス提供に関して現時点ではまだ情報がありません。今後の展開は要注目です。


Source:

VentureBeat: AutoX’s robo-taxi service in Shenzhen leaves out the human driver

量子位:AutoX“真无人”车队驶上繁忙街头,中国正式跨入无人驾驶时代

AutoR智驾:RoboTaxi正式开启无人化运营时代,AutoX在华吃了螃蟹

AutoX无人驾驶:AutoX真正全无人车队驶上繁华街头,中国进入全无人时代

腾讯视频:AutoX自动驾驶汽车

AutoX公式サイト(日本語)

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