新生aiwaデジタル新製品発表会:オープンイノベーションを実現したJENESISの新たなチャレンジ

「aiwaデジタル」ブランドを立ち上げたJENESISは、8月24日に東京都内で怒涛の新製品発表会を開催しました。

長年深センから日本のスタートアップのものづくりを支えてきたJENESISがaiwaブランドを取得して何をしようとしているのか、新製品から垣間見えた今後の戦略とはー

JENESISのこれまでの取り組み

中国・深センに自社工場を持ち、外注に頼らない自社による製造サービスを行っているJENESISの藤岡淳一社長が登壇し、JENESISによるモノづくりへの取り組みを紹介。JENESISはこれまで500製品以上の開発製造を行い、累計出荷台数は300万台以上に上ります。

aiwaブランドは、40代以上の男性には71%もの認知度を誇るのだそう。高い品質と優れたコストパフォーマンスを持つaiwa製品を多くの男性は少年の頃にお年玉を握りしめて買っていました。まさにaiwaは憧れのブランド。日本の宝であるaiwaを世界のブランドにしていきたい。と意気込みを語ります。

怒涛のaiwaデジタル新製品群

各メディアで大きく報じられている通り、aiwaデジタルは第一弾として6製品を発表。

製品詳細はaiwaデジタル公式サイトをご覧ください。

タブレット(4製品)

androidタブレット3製品+Windowsタブレット1製品

39,800円のタブレット[TBA1001]は、初のGorillaガラスを採用したフラッグシップモデル。

スマートフォン(1製品)

1万円台のスマホ登場。まずはエントリーモデルから。

スマートウォッチ(1製品)

1.8インチ大画面液晶に血中酸素濃度が測定可能

法人向けサービス

自前の金型製造工場を持ち、小ロット多品種が得意なODM企業JENESISは、法人向けにロゴを変えたり、デザインを変更するといった柔軟なカスタム製造サービスを行っていきます。

イメージキャラクターは石橋凌氏

aiwaデジタルのイメージキャラクターは、ロックバンドA.R.B元ボーカルであり役者の石橋凌氏。

今後の戦略

aiwaらしさの追求として、「音響の追求」「生活空間への融和」「オープンイノベーション」を掲げていくとのこと

音響の追求

昨今のデジタルデバイスは、小型・薄型・防水・防塵がトレンドになり、サウンドチューニングのアプローチがタイトになってきているため、今回は2つのソリューションを準備。

Dirac HD Sound

Diracとは、ハードウェアとソフトウェアのチューニングによって、限られた環境の中でクリアにサウンドを再生していく技術。この技術を今後の製品に順次実装していくのだそう。

熟練オーディオ技術者によるチューニング

デジタルには強いが、アナログのノウハウが乏しいJENESISは、今後熟練オーディオ技術者の力を借りて内蔵スピーカーやイヤホンなどにアナログ的アプローチを行い、オーディオブランドのaiwaらしさをデジタルでも再現していくとのこと。

生活空間への融和

世の中のデジタルデバイスは重苦しいものが多いため、生活空間に溶け込むデザインを送り込むべく、ブランドディレクターとしてアエテ株式会社代表の鈴木健氏を起用。

アエテ株式会社は、プロダクトデザイン、企業ブランディングなどを行う会社で、公式サイトを見ると以下のような実績があるのだそう。

アエテ株式会社公式サイトより

今回発表されたaiwa製品のデザインに鈴木氏は関わっていないものの、現在は次期製品の開発に携わっているようです。これは期待しないわけにはいかない。。

オープンイノベーション

これまで30組を超えるスタートアップの開発・製造支援を行なってきたJENESISは、スタートアップが自分達のハードウェアを世に出す上で様々な壁があり、とても難しいことを実感してきたのだそう。

いいアイデアがあっても、みんながみんな成功するわけではない。まさに「Hardware is Hard」。

たくさんある光る原石を夢のままで終わらせない新たな取り組みが、以下の例にある「オープンイノベーション」

aiwa版インスタコード発表

楽器が弾けない人でも弾くことができるという令和の発明品「Instachord」。社員ゼロ名で会社を運営している開発者の永田雄一氏によると、発売開始から今に至るまでインスタコード用の楽譜はインターネット上に10万曲以上もあるのだそう。

インスタコードは今後どんどん機能追加されていく予定ですが、今回はこのインスタコードとaiwaがコラボしたシンプルな量産型となる「RX-01」が2023年初頭の発売に向け開発中。量産型モデルが発売されれば、楽器を弾きたいけど弾けないマジョリティ層に届くことになります。

MAMORIOとのコラボで「なくならないスマホ」の提案

世界最小クラスの紛失防止タグを提供しているスタートアップMAMORIOとaiwaのコラボによって「なくならないスマートフォン」が提案されました。

MAMORIO代表の増木大己氏による説明。

この「お忘れスマホ自動通知サービス」は、全国の公共交通機関や施設に張り巡らされているアンテナとMAMORIOアプリを活用しています。

本当の「オープンイノベーション」とは?

昨今、大企業のベンチャー投資や実証実験、またメーカーがスタートアップに量産化支援をすることが「オープンイノベーション」だと叫ばれていますが、本当にこれがwin-winの関係になるのでしょうか?と藤岡氏。

必要なのは、どうやってゴールに最短でたどり着けるのか?スピードと実装力をスタートアップに提供することであって、お金を出すだけ・綺麗なプレゼンを作らせてピッチをさせることでもない。量産化支援を約束しておきながら1年も2年も半導体がなくて作れない、といった大企業目線のオープンイノベーションは違う。

今回始まった2組とのプロジェクトをきっかけに、世の中の発明をしているスタートアップと並走をしていきたい。ハードウェアは大変だけど、一緒に夢を語って、汗をかいて、物を作っていきたい。

「君だって明日のポケトークになれる」

新生aiwaは、新しいアイデアを持ち、発明をしているスタートアップの人たちと並走していく。

今後の展開やライバルとなる海外勢について

今後の販路拡大戦略やターゲットとなるユーザー層について、またスマホにおいてはライバルとなる海外勢との戦いに関する質問にはこのように答えています。

今までのJENESISの製品は法人向け(B to B)が多かったが、今後はB to Cにもチャレンジをしていき、2ー3年後には比率を半々に持っていきたい。

スマホ業界は海外勢がフルパワーで攻めてきているため、価格やスペックだけでは敵わない。我々としてはシニアや小学生が最低限使えるような機能に加えてサービスを手厚くしていきたい。長期戦で考えている。

量販店や通信販売などの各販売事業者はそれぞれ客層が異なり、求める仕様も変わってくる。JENESISは小回りが効くので、販売事業者によって色や付属品、スペック等の(海外勢にはできない)カスタマイズができるようにしていきたい。

JENESISのメインはODMで今後も続けていくが、昨今は新型コロナ・円安などの要因により受託一辺倒だとサステナブルな経営は足りず、ここでもう一回勝負をしたいと考えた。今まで作り手として安くて良い物を作ることには長けていても自分達の中だけではアイデアや尖ったものは生まれにくかったので、スタートアップと共に斬新な物をaiwaブランドでどんどん出していき、盛り上げていきたい。


会場では、新製品を体感できるブースも。

深センを代表するJENESISについては過去に当サイトでも何度か取り上げさせていただきましたが、毎月のようにスタートアップの発明品を製品化していました。

今回はその2種類の製品をaiwaデジタルとしてコラボするという、お手本のようなオープンイノベーションを実現しました。点と点が線になるとはこういうことですね。日本のスタートアップを巻き込んでいくaiwaデジタルの今後に期待せざるを得ません。

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