Design Week DESIGN ENGINE

2019年 深圳デザインウィーク(SHENZHEN DESIGN WEEK)では、中国の今後に大きく関わる展示も行われています。

特に最近は、中国の経済を語る上で「粤港澳大湾区」という言葉をよく耳にしますが、今回のデザインウィークの目玉の一つである「设计引擎 DESIGN ENGINE」は、この「粤港澳大湾区」のデザインをテーマにしたものとなります。その名も「粤港澳大湾区设计展」

「粤港澳大湾区」の国家プロジェクトとデザイン…一体どんな関係があるのでしょうか?さっそく展示を見てきました!

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「粤港澳大湾区」とは?

「粤港澳大湾区」とは、「広東省・香港・マカオ・ビッグベイエリア」(日本語ではグレートベイエリアと呼ばれることもあります)と言って(英語では "Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area")、珠江デルタ9市広州市深セン市珠海市仏山市恵州市東莞市中山市江門市肇慶市)+香港マカオのインフラや金融・科学技術で連携を深め、経済・交通・物流などを接続して世界三大ベイエリア(ニューヨーク、サンフランシスコ、東京)に追い付き、それ以上のレベルになることを目指す国家プロジェクトとして推進されています。

香港は、国際金融・海上・航空運輸・貿易が強く、マカオはリゾート・レジャーセンターに強いようですね。深センは科学技術、産業イノベーションの方面で推進していくようですが、それぞれの特性を生かして発展させていくこのプロジェクト。世界三大ベイエリアを抜くのは時間の問題かもしれません。

DESIGN ENGINE Great Bay Area

その発展計画の中でデザインの占める位置は非常に大きいので、深セン市デザイン協会はデザインウィーク中に幾つかの団体と共に粤港澳大湾区系列设计活动(広東省・香港・マカオ・ビッグベイエリア系列のデザイン活動)」を共催しています。

粤港澳大湾区设计展のテーマ「设计引擎 DESIGN ENGINE」

当エキシビジョンは、深圳グラフィックデザイン協会と、建築・インテリアデザイン協会共同開催によるもので、ビッグベイエリアの経済発展のための都市建築をテーマとした展示になります。開催は去年(2018年)から始まり、今年は2回目とのこと。

この粤港澳大湾区设计展(Guangdong-Hong Kong-Macau Greater Bay Area Design Exhibition)テーマ「设计引擎 DESIGN ENGINE」には、どんな意味が込められているのでしょうか?

一言で言うと、以下の4つの分野を駆動させるためのエンジンとして、デザインを活用する」という意味なのだそうです。

  1. 生活
  2. 産業
  3. 文化
  4. 創新(イノベーション)

この4つの分野において、広東省・香港・マカオ・ビッグベイエリア各地のデザイナーが、グラフィックデザイン・建築デザイン・インテリアデザインなど80のデザインプロジェクトに深く関わっていることを、物理的(模型)・グラフィック・ビデオ等を通じて展示されます。

このプロジェクトは長期にわたる持続可能な社会の発展を促進することになるため、2019年 深圳デザインウィークのテーマ可持续的设计(DESIGN FOR SUSTAINABILITY) 」"持続可能なデザイン" にも関係します。

Design Week Poster 深圳当代艺术馆与城市规划展览馆

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Design Week Poster 深圳当代艺术馆与城市规划展览馆

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展示内容はすごく面白いのですが、かなりのボリュームでひとつひとつ丁寧に見ていくなら数時間はあっという間に経ってしまいます!

展示内容(ピックアップ)

建物の入り口から入ると、まずエスカレーターで3階に上がったあと以下の写真のところに来ると思いますが
「设计引擎 DESIGN ENGINE」の展示は、深圳当代艺术馆与城市规划展览馆の一階になります。

Design Week DESIGN ENGINE 深圳当代艺术馆与城市规划展览馆

深圳当代艺术馆与城市规划展览馆3階。ここも有名なインスタ映えスポットですね!

ここからエレベーターか階段を使用して一階に向かってください。

Design Week DESIGN ENGINE

すると、今回のテーマ「设计引擎 DESIGN ENGINE」のトレードマークとなる矢印が見えてきます。

Design Week DESIGN ENGINE

キュレーターの紹介。前回インタビューに応じてくださった宋博渊さんの名前も。

Design Week DESIGN ENGINE

展示は、所狭しと並んであります!

色々写真を撮ったのですが、全て紹介するととんでもない量になってしまうので、日本と関係のある展示や、特に興味深かった点を一部分だけ紹介します。

Shimizuki × V+V Design Studio

Graphic Design in China

vivo Lab

中国を代表するスマホメーカーの一つ「vivo」(本社は東莞)のプロダクトも展示。

海上世界にある「vivo Lab」

奈雪の茶 × STAND Design × tooTo Brand

奈雪の茶。有名ですね!

nonoodle × Asia Chimian Campany

Shenzhen Fringe Festival × zitype design × tooTo Brand × BAI.S & Partners × Dohop × INTOX

以前にShenzhen Fanでも取り上げた、Shenzhen Fringe Festivalの様子も展示されています。

ちょっとテンション高くなって写真が斜めになってしまいました…

HEYTEA × MULAND & DDDD × Leaping Creative

あの有名なHEYTEAも。

Alila Yangshuo × Horizontal Design

Dapeng Peninsula National Geological Park Museum × Huayi Design

Macao Characteristic Old Shop × UNTITLED MACAO

Zhuhai Design Week × One More Idea

珠海でもデザインウィークが開催されていたんですね。知りませんでした。

Cities Between Cities × FCHA

今回、私が一番面白いと感じたのが、この展示。

これは、ビッグベイエリア発展のために深センと香港をどう接続するか、また現在二分されているゆえに生じている問題にどう対処するかのアイデアが映像と模型の形で紹介されています。

これだけでもかなりの内容で、当記事の中には収まりきらないため近日中に単独記事にしてご紹介します!

The Sakeraku × Chiii Design

OCT-LOFT Jazz Festival × Huangyangdesign × SenseTeam × Rolling Design

以前に紹介した、OCT-Jazz Festivalの様子も展示。

Shenzhen Fashion Week × SenseTeam

深センでも定期的にファッションウィークが行われています。


 

本当は全て紹介したかったのですが、一部分しか載せられませんでした。他にも興味深い展示が盛りだくさんなので、ぜひ訪れてみてください!本当に必見です!

こうやって見ると、実にさまざまなブランドが有名デザイナー/チームと組んで新たな商品・パッケージを生み出しているのが分かります。都市設計の分野では、現在直面している問題に対するデザインによる解決方法も説明されていました。

デザインが人々の生活・人生を変えること、ベイエリアの経済と文化に大きく影響していることがよく分かる展示です。

アクセス・ロケーション

場所:深圳当代艺术馆与城市规划展览馆<"深圳两馆"とも呼ばれます>
   ※入館にあたり、パスポートの提示が求められます。また液体を持ち込むことはできず、大きな荷物はロッカーに預けるように指示されます。

開催期間:2019年4月20日ー5月5日 10:00-17:00

最寄駅:(地铁3号线/4号线)「少年宫」駅 A2出口 徒歩約5分
              (地铁2号线)   「市民中心」駅 A出口 徒歩約5分

Design Week DESIGN ENGINE 深圳当代艺术馆与城市规划展览馆

深圳当代艺术馆与城市规划展览馆。正面階段の左側から入ります

湾岸経済の重要なエリアとして今後も注目されていくベイエリア、これからも続くデザインとの関係に目が離せません!


参考資料:

深圳设计周:2019粤港澳大湾区设计展即将启幕!

深センといえばこの本!
「ハードウェアのシリコンバレー深セン」に学ぶ−これからの製造のトレンドとエコシステム (NextPublishing)
本書は「ハードウェアのシリコンバレー」として世界の注目を集める広東省深セン市がどのような変遷をたどって今の地位を築いたのか、2001年から深センで電子機器製造に従事する筆者の人生を通じて解き明かします。

藤岡 淳一 (著)
ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険
これまでの常識を破壊し,自らの手で新しいものを生み出していくための考え方や仕組みを,世界的なハードウェアハッキングの第一人者が実体験とともに解説。世界のイノベーションの中心地の1つである深圳におけるビジネスの仕組みや知財の考え方,ニセモノ製品の裏側,子供でも作れるシール式電子回路Chibitronicsなど刺激的な話題を凝縮した驚異の書。エドワード・スノーデン,伊藤穰一(MITメディアラボ所長)ほかテクノロジー業界の著名人の推薦続々!

アンドリュー“バニー”ファン (著), 高須 正和  (翻訳), 山形 浩生 (翻訳) 
メイカーズのエコシステム 新しいモノづくりがとまらない。 (OnDeck Books(NextPublishing))
iPhoneが製造されている中国の工業地帯、深圳。そして最も偽物のiPhoneが「発明」されているのも、深圳。「製造業のハリウッド」と呼ばれるかの地では、秋葉原の30倍の電気街をもち、100倍のベンチャー企業が最先端の電子ガジェットを作り、世界中にクラウドファウンディングで販売しています。そんな「IoT(モノのインターネット)」の中心を、高須正和・井内育生・きゅんくん・江渡浩一郎らが渾身のレポート。日本と深圳で自らベンチャーを行う小笠原治・藤岡淳一も寄稿。解説:山形浩生。

高須 正和 (著)
これ一冊でもう迷わない!!問屋街オタクが教える深セン電気街の歩き方(探検MAP及び書籍内リンク付き): 中国深センの巨大電気街「華強北」探検MAP 問屋街オタクシリーズ Kindle版
深センは中国の経済特区のうちの一つであり、香港に隣接しているという特殊性に加え、中国のシリコンバレーといわれるほど著名なIT企業や最先端技術を有する企業が集結しています。その窓口である華強北電気街へぜひ足を運んでみてください。期待を裏切らない驚きが待っています。

鈴木 陽介  (著)
これ一冊あれば大丈夫!!広東アパレル問屋街15ヶ所一挙大公開!(探検MAP及び書籍内リンク付き): 中国広州、中山、東莞、深センのアパレル問屋街探検MAP 問屋街オタクシリーズ Kindle版
本書は中国広東省にあるアパレルの問屋街をまとめて紹介しております。 その数なんと、15ヶ所!本書を通じて、広東省にある問屋街の多様さをぜひご体感ください!

鈴木 陽介  (著) 
問屋街オタクの深セン起業「ウラ話」: 華強北でハースタしています!! 問屋街オタクシリーズ Kindle版
本作は、問屋街オタクの直近3年間の奮闘記であり、修行録であり、舞台裏についてのお話しです。 さらに著者の過去の知見も加えた自伝記のような構成となっております。

鈴木 陽介  (著) 

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